どうも、りょうぴーです。
このアニメのここがやばい!
①脚本が壊滅的なレベルで終わってる
主なスタッフは、脚本は大野敏哉さん、監督は中谷亜沙美さん。脚本の人は「シャドーハウス」「約束のネバーランド」のシリーズ構成、「スイートプリキュア♪」の脚本担当と、少なくとも実績はあるようです。
ですがこの脚本家の人でクソアニメになっているのだからそういうことです。まぁ一番のやばい点は、スイートプリキュアのような評判のいいシリーズ作品を手がけた実績のある脚本家が手がけたとは思えないレベルで『話の内容がスカスカで低クオリティ』という所です。
一応あらすじについて紹介すると、現実世界とは異なる架空の異世界で、歌手になる夢を叶えられないまま都会からヌマヅ(ラブライブサンシャイン本編の静岡県沼津市)へ戻ってきたヨハネが街の人たちや個性豊かな人々との交流を経て自分のやりたいことを見つけるという内容です。
作風からしてファンタジーとキャラのハートフルストーリーをラブライブ風に融合させた感じなのか?と何かと想像を掻き立てられるようなあらすじですが、残酷な真実を叩きつけるとすれば、正直なところこのアニメは『何がしたいのか分からず終始迷走しっぱなし』という、本編のヨハネそのものを体現した支離滅裂なアニメです。
もちろん、アニメ自体そのものの方向性が分からなくてもヨハネの心情の変化と共に方向性が動くのならそれはそれでひとつのテーマとして描けているとは思いますが、本作品ではそれが全くの逆効果になっているのが惨たらしいところです。
Abema先行配信勢である僕から見ても、1話から4話までを通してみてもこのアニメが何がしたいのか全く分からずじまいで頭を抱えてしまいます。
1話は出戻りからの何がしたいのかの最初の1歩を踏み出すという流れで、つかみに関しては完璧…とは言いきれないものの及第点は超えていたと思います。
しかし、2話以降は磐石かと思われていた脚本が綻び始め、内容がどんどん粗雑なものになってゆきます。
せっかくやりたいことを見つけたのに結果が振るわず、(本人はウダウダ文句言うだけで営業する努力もしないくせに)ハナマルや街の人の仕事を見るという社会科見学でクソガキレベルの屁理屈(給料しょぼくね?)をコネていじけ、仲直りまでにBパートの尺の大半を使うという身から出た錆を眺めさせられるというかなりストレスのたまる内容になっています。
後述しますが、このアニメにおけるヨハネはかなりのクソガキ気質なので、それも相まってイライラがとてつもない速さで溜まってゆきます。
3話は、脚本家がなにか危ない薬を決めたとしか思えない正気の沙汰じゃないチカ、ダイヤ、ルビィによる誰得自己満特撮シーンで尺を無駄遣いし、申し訳程度に魔王マリの登場と魔王が感知した異変を主題に伏線的なものを貼って本筋に関係ある話を無理やり盛り込んでクソさを露骨に誤魔化した、というAパートのエゴ丸出しの自己満タイムとそのお茶濁しに終始した酷い内容でした。
Bパートはまだマシな方ですが問題なのはAパートで、例の激寒特撮シーンはとにかく見ていて開いた口が塞がらないレベルで呆れるものです。(多分ダイヤの中の人が特撮経験者だから脚本か演出担当が入れたかったのかもしれないがそれらのエゴが露骨に押し出されていて本編はまったく盛り上がらずただ不愉快なだけだった。)なまじ作画の質がバトルアニメとして上等なものだから本編のシチュエーションの酷さがより悪目立ちしてるんですよね…そのシチュエーションの内容は義務的な雑魚狩りの真っ最中でチカとダイヤが窮地に陥ったヨハネそっちのけでギスギスしたり戦う相手がちょっと凶暴化した小動物で魔物や世界を蝕む脅威的な感じではない、なんやかんやヨハネがメアリースー発言でとりなして一緒に協力するという、サンシャイン本編でよく見るギスギス発生からの解決の構図をファンタジーに置き換えただけの薄ら寒いものです。慎重勇者じゃあるまいし、明らかに力の入れどころを間違っているとしか思えません。
仮にこのアニメにバトル要素を入れたいなら、義務的な感じでやらせるのではなく、戦う相手が魔物的な何かである、ダイヤだかチカだかが戦う理由とか動機、背景をもう少し明らかにする等、もう少しキャラや本編の背景を掘り下げることで戦わなきゃいけない理由をハッキリさせてそこから戦うことでそれぞれのキャラの見せ場を掘り下げることが出来るはずです。
それこそ前回のクソガキ屁理屈いじけパートで尺稼ぎする場面は要らなかったでしょうよ。
4話は2話と同じく社会科見学的なノリでヨウの手紙配達のお手伝い、カナンと一緒にモノづくりする話です。しかし、内容こそ決してダメではないものの面白くはありませんしテンポも劣悪です。ヨハネのやりたいことを見つけたい…からの他の人の考えを知るって下りは2話でやりましたし、話を進めるよりはヨウとカナンを紹介することの方がメインだったのかもしれない…と思います。
4話までの流れを追ってみると、全体通して行き当たりばったりな感じがこの時点でも拭えるものではなく、その迷走具合は水星の魔女2クール目や推しの子原作の舞台編以降と遜色ないかも知れません。
序盤の印象や前評判は良くなくても後半でカタルシスのある展開でそれらを一気に巻き返すタイプの作品は多いです。そのようなタイプの作品に挙げられるタイプはバック・アロウ、メガトン級ムサシ等の独自性と面白さを両立できているタイプのアニメですが、このアニメは独自の強みやら面白さやらを完全に履き違えた古臭くてつまらないだけの愚作に成り下がっています。
後半にカタルシスが来るような展開は大抵ロボットアニメ位でしか見られなさそうなのでロボットは出てくるけどロボットアニメじゃない本作じゃ厳しいでしょう。今後巻き返せると良いのですが、少なくとも現時点では望み薄でしょうか。
②キャラが様々な意味で違和感だらけ
ヨハネ
主人公。16歳と明言されているにも関わらず壊滅的なレベルでクソガキです。ハナマルの仕事を見て暴言を吐いたり、1話からまったく成長せず占い屋botをしてかなりイラつかせてくれますが、3話では何故かメアリースーになったりしており、彼女の人格にはクソガキ人格とメアリースー人格の2種類があるようです。
ちなみにこのクソガキキャラと教祖キャラの2面があるのはサンシャイン本編の主人公である高海千歌を意識しているものだと思われます。でなければヨハネ本編3話の不自然なメアリースー的発言の説明がつきません。
ライラプス
何かと辛辣な態度をとるヨハネの愛犬です。口元の作画がやたら省エネされていて処理落ちしてるように見えますが、これはけして作画が悪いのではなく、ヨハネ以外の人間にはライラプスの声が聞こえないという設定から来たものだと思われます。多分ライラプスの声が聞こえなくなった、存在が消えた的なシリアス展開で一悶着起こるかと思われます。
ハナマル
本編の花丸は毒舌嫌味大食いbotでしたが、この作品では正反対の聖人キャラになりました。むしろ本来の花丸はこんな感じで控えめだけど優しい性格であるため、アニメのあの嫌味ったらしい不快感がなくなったのは良改変であると言えます。
ダイヤ
人間なのにルビィの姉だそうです。正式な姉妹なのかは不明です。(サンシャインの設定を引きずったんだろうなぁ…)スカーレット・デルタという(中の人つながりか)特撮ヒーロー的な何かに変身し街を守っているとのことですが、初陣はかなりしょぼかったです。
ルビィ
妖精なのにダイヤの妹だそうです。ヴァルヴレイヴのピノみたいにマシンの中に搭載されます。姉妹設定が残された理由に関しては不明です。種族違うのに姉妹なの?というツッコミは野暮なものなんでしょう。
チカ
姉妹で何故かキャッツアイだかサンバルカン的なヒーローになってました。無理やりぶち込んだせいなのかあまりにもこの設定が謎すぎる…
ヨウ
あまりサンシャイン本編との相違は見られませんでした。そもそも目立ってた時期が彼女が曇ってた1期11話くらいのものですから判断材料が少なく比較のしようがありません。
カナン
サンシャイン本編の果南の融通の利かなさやねちっこさが無くなり原典通りのサバサバした性格に戻りました。この点ではハナマルと同じだと思われます。
リコ
犬嫌いという設定が無くなり人見知りでは無くなりました。現状目立ってはいないので今後の話次第でしょうか。
マリ
本編ではテンションが高く千歌達に積極的に絡む人物でしたがこの作品では当初はヨハネ達に対してどこか冷たい態度をとっていて本人もかなり落ち着いた感じに振舞っていました。これはこれで悪くは無いと思いますが、違和感はぬぐえません。
酷いキャラ付けになっているのがヨハネだけで幸いですが、むしろ主役ポジが一番キャラとしてダメなのは流石にいただけないかと…
正直この作品自体サンシャイン本編の元のキャラからだいぶ大幅に改変を加えられているため、その時点で拒否反応が出ることも珍しくはなく、そこに関してはしかたないので割り切る他ありません。百歩譲ってそこまではまぁまだ許すとしましょう。
クソガキ化は脚本的にストレスのもとにしかならないからやめろつってんだろクソッタレ!!!それが主人公なら尚更です。かの名作、「交響詩篇エウレカセブン」のレントンも初期のころのクソガキぶりには辟易しましたしそもそもクソガキ系主人公が許されるのは平成の2010年代前半アニメまでで今の時代で出しても確実に受けないと思うんですよね。むしろヘイトしか溜めませんよそんな奴。
今は令和ですよ?制作スタッフの価値観は2世代前で止まってるんじゃないですか?
数少ない美点
おわりに
とはいえ先程も述べたように看過できないアニメのクソっぷりが目立つのは事実で、ましてやラブライブのキャラである必要性にすら疑問が持たれ益々作品としての質に疑いが持たれる本作ですが、現状スパスタ2期や仮面ライダーリバイスレベルでの不評意見をたたき出してしまっています。
先輩コンテンツ面して後輩(某反人類糞作)のケツ拭いも満足にできねぇのかよ、アニメが好評で劇場版作品も決定して絶好調な虹ヶ咲と、現行シリーズの中で屈指の異色作ながら地道で丁寧なシナリオ展開で人気を着実に得てきている蓮ノ空の足を引っ張ってどうするんだよ、と言いたくなるような、ほうぼうのていの幻日のヨハネの明日はどうなるのでしょうか?
良くも悪くも今後の動向に是非とも注目したいところです。はたしてクソアニメとしては絆のアリルとどこまでやり合えるのでしょうか?それともはたまた一転攻勢して神アニメになるのでしょうか?今後の動きが見逃せない最高の1作になりそうです。