さて実技。先ずはA先生がお手本です。
A先生
「先ずは患者様に力を抜いて頂くようお声かけして・・・」
「頚部を伸展させて・・・アゴが天井向くくらいの感じでね」
「中指をC6にコンタクトさせて・・・」
「手のひらで患者様の頬っぺたをロックさせるようにぃ・・・」
「矯正の角度は頸椎の関節面をイメージしてぇ・・・」
「患者様の力が抜けていることを確認する感じで、少し動かしながら・・・」
「アゴを動かすような意識で・・・」
ゴキッ
「ね」と、ドヤ顔。
もうすっかり骨盤矯正信者の新人君。
KKD(骨盤矯正童貞)は卒業したとはいえ、これは別世界です。
新たな格闘の日々が始まります。
患者様の頭の持ち方。
患者様の頭の角度。
「ズレ」や「ねじれ」があるという頸椎への指でのコンタクト。
頬っぺたのロック。
回旋させる角度。
そしてなによりゴキッの動作。
必死で格闘する新人君も大変ですが、それより大変なのがB先生です。
来る日も来る日もゴキっバキっ・・・ならまだしも、グイッグイっ!
指や足首で想像してみて下さい。
下手すりゃ捻挫させられるかもしれないような動作
をひたすら受け続ける。
なんなら、一度や二度は捻挫してるんじゃないでしょうか?
基本、第三者行為による捻挫は保険適用外ですよ(^^)
ま、それは置いておいて、A先生の言うポイントです。
突っ込みどころまんさいなのですが、絞ってみましょう。
アゴが天井で、矯正の角度は関節面を意識して
前回までで触れましたが、頸椎で動きがあるのは第1第2頸椎の間が、第4以下の下部頸椎と言われる関節面です。
ベッドに仰向けでアゴを天井に向けたB先生。
第1第2頸椎の間の関節面と、第4以下の下部頸椎と言われる関節面て同じ角度なの?
「関節面を意識して・・・」とはいうものの、どの関節面なの?
もし第6頸椎だとしたらアゴは天井向きでいいの?
話戻るけど、基準は?第5?第7?それだけでも関節面違ってくるんじゃないの?
私の理解力が無さすぎるんでしょうか?
こんなあやふやな状態で、下手すりゃ捻挫させてしまうかも知れないようなこと、間違えても出来ません。
いえ、捻挫ですめば「おんのじ」です。
むち打ち状態にさせてしまったり、以前に書いた脳脊髄液減少症を起こしてしまう
危険性はゼロではありません。
そんな不安をよそに、新人君もいつかはゴキッ!からのドヤ顔。
A先生やB先生を相手に日々練習に取り組んだおかげで、
ほぼ100%の割合で音を鳴らせることが出来るようになりました。
(・・・て、A・Bの両先生、そんなに何回も練習台になってたって、練習のたびに都合よく頸椎がズレてたの?歯の矯正で、一度矯正した歯がそう簡単にズレちゃうんですか?じゃぁ、「ゴキ」「バキっ」って一体何なの?)
腰や胸椎のように比較的頑丈な部分ではなく繊細な首。
見た目もものすごく痛そうな動作なのに、一瞬にして音を鳴らせることが出来た新人君。
彼はもう怖いもの無しです。
で、患者様の口から「親指がシビ・・・」
と聞こえようものなら食い気味に「あ、それは頸椎6番目が」
「肩に違和感が・・・」
と聞こえようものなら食い気味に「あ、それは頸椎5番目が」
で、「それもこれも土台になっている骨盤がゆがんでいるからなんですよ」
「人間の土台って足じゃないの?」
「人ってずっと座って生活してるの?」
骨盤矯正信者になると、こんな当たり前すぎる疑問すら思い浮かばない頭が出来上がっちゃうんでしょうね。
次回、いよいよまとめです。