例年通り、今の進展・不可分野を記録する。
今年は、例年との違いを「今年の変化」として記載した。
●脳・頭蓋骨●
~脳~
今年の変化:物理的な変化は無し
私の状態:
- 2020年2月22日早朝、インターネットカフェのトイレで倒れ吐き、失神していた。
8時前に、店員さんにその私の姿が発見された。 - 私は覚えていないが、会社の同僚や妻には1~2ヶ月前から頭が痛いと言っていたらしい。
→最近気づいたが、本当に脳の疾患を心配したというより、昨晩お酒を飲み過ぎて仕事がツラかっただけで、恥ずかしいから具体的に言わなかっただけなようにも思う。 - 診断名は【急性硬膜外血腫】。
- 数日後、意識レベル(JCS)では400と判断された。強くつねっても一切反応しない、完全に死にかけの状況。
~頭蓋骨~
今年の変化:無し
私の状態:
- 病院に運ばれた時は、【急性硬膜外血腫】に加えて【頭蓋骨骨折】と診断された。
- 外減圧術(頭蓋骨の一部を取ることで、脳出血後の脳浮腫時の圧を頭蓋内から逃がす)のため、左側の頭蓋骨を取り除いていた。
(脳の血腫では一般的らしい) - 数週間後に外していた頭蓋骨を元に戻したが、数週間後、脳の感染症が発生。
外されていた頭蓋骨は破棄することとなった。
その為、半年は頭蓋骨を戻さないこととなり、その間はヘッドギアを付けることになった。 - 2020年11月11日に、頭蓋形成により人工の頭蓋骨を入れた。
当初、整形外科からは人工頭蓋骨の形は、過去のような丸みを持った頭蓋骨ではなく、皮膚の大きさに合わせて直角の頭蓋骨を予定していたが、主治医の脳神経外科医が、丸い形にできると言って、手術も担当してくれた。 - ただ、人工頭蓋骨であることで左眼の上部の筋肉が落ち、外から見ても凹みが分かる。
- 2023年9月に、手術を行った病院とは別の病院で定期診断をした時に、CT/MRIを見た医師は「こんな状態だったら生きられるかも難しいだろうし、寝たきりになったらまだ良い方。今日一人で診察に来れるなんで、アンビリーバボー!」と興奮していた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210709/23/ryota6613/ad/d2/j/o0760071614969747006.jpg?caw=800)
~声帯~
今年の変化:はっきり発音できるようになってきた
私の状態:
- 入院後 意識を取り戻しても、昏迷状態が2ヶ月ほどあった。
(私は夢を見ているのだと思っていた) - 2020年4月から1ヶ月ほど、発声用バルブ&スピーチカニューレを付けていた。
- 今でも、喉に傷跡があるが、痛みなどはない。
- 1~2年は声量や呼吸量が小さくなった。今はそれほど変わりはない。
~てんかん(癲癇)~
今年の変化:抗てんかん薬を欠かさず飲むようになった
私の状態:
- 倒れたことで飲んでいる薬は、抗てんかん薬。
- 抗てんかん薬のイーケプラ錠(500mg×1錠)を朝夕 食後に1錠。
- 2022年からは、ジェネリックのレベチラセタム錠に変更。
500mg × 朝夕 食後 × 1錠。 - イーケプラ錠もレベチラセタム錠も、味はしない。
- 2022年後半は抗てんかん薬を飲む意味がないように思って、飲まなくしていた。
- 両親も妻も、私のてんかん発作はないと思っていた。
だが、2022年12月の主治医の診察で、2020年春にてんかん発作があったと診断を教えてくれた。
倒れたら家族に迷惑が掛かってしまうので、現在は欠かさず飲んでいる。
●障害●
~麻痺~
今年の変化:ほぼ無し
私の状態:
- 運動麻痺:左半身…動かしにくい
- 手足を動かしにくい。
足の指が痙縮(けいしゅく)のため、動かしにくいし疲れる。
手の指の動きが少し緩慢。 - 立位状態から左足膝を持ち上げる場合、約90度が限界。
- 高い段差や疲労度、凸凹道では転ぶ危険性があるため、室外では杖を持っている。
- この麻痺の原因は不明。
脳の右側をMRI/CTで調べても、問題はない。
主治医は、脊髄の問題かもしれないと考え、2022年1月にMRI/CTで調べてもらったが、問題は見つからなかった。 - 2022年3月に、脳神経外科病院の理学療法士の勧めにより、短下肢装具を購入。
この短下肢装具を付けていると、付けていなかったときの危なさを知ったため、2022年末の今では外せなくなっている。
- 手足を動かしにくい。
【短下肢装具】
ゲイトソリューション デザインR1
- 感覚麻痺:右半身…感じにくい症状
- 触った感覚
6割程度しか分からない。 - 触られた感覚
4割程度しか分からない。 - 寒さ
寒さを感じにくい。(もちろん、反対の左半身は分かる) - 熱さ
熱すぎるように感じる。洗い物でちょっと熱いお湯を触ると、驚く。 - キーボードのポッチが、ほぼ気付けない。
- 蝶々結びは、眼で観えていないと、ほぼできない。
感覚麻痺の右手では、どこに紐があるのか分からない。
- 触った感覚
~視野~ 今年の変化:(おそらく)無し
前提として、例えばこんな風な状況にいるとする。
私の状態: 眼自体ではなく、脳の問題で見えていない。
- 右眼
- 症状名は『右同名半盲』。2023年4月に高次脳機能障害クリニックでもらった診断書にそう記載されている。
- 中央から右側が見えない。
- 見えていない事自体が理解できていないので、街で向かいの人が一人だと思っていても、右側に二人目がいることが分からない or 遅れる。
- 外を歩いていると、眼から50~200㎝がダブって見える。左眼が見えないせいなのかはよく分からない。
- 何故か、上下が分かりずらい。
お皿に箸を乗せて歩いていると、落ちてしまう。 - 注意障害(キャパシティが小さい)も重なり、多くの人がいる場所で歩いていると、ぶつかりそうになる。
↓右眼で観えているのは、左側だけ。
なので、私の右眼ではこんな感じで、見えていないことにも気付きにくい。
2020年11月に眼科で確認してもらい、こんなに見えていなかったのかと驚いた。
- 左眼
- 『左眼視神経障害』。
- 中心からほぼ全体が見えない。
- 特に、中心は全く見えない。
- 外斜視(黒目が外側を向いている)になった。
~易疲労性・尿意・肺活量~
今年の変化:障害当初と比べると一般と同じレベルに回復
私の状態:
- 易疲労性。特に、朝が起きられない。
身体障害で、歩くだけでも体力が奪われるのも、その理由かと思う。
更に、失語症で周りの人が何を言っているのか分からず、何も得ずに疲れるだけで終わってしまう。
モチベーションが、場合によって大きく異なる。 - 尿意は、30分が限界。
特に、洗い物をしたりしていると、すぐにトイレに行けない為なのか、緊迫的な尿意を感じる。
おそらく、身体障害でトイレに行くスピードが遅いため、その不安感により身体が勝手に膀胱を縮めているのだと思う。
膀胱に尿はほどんど溜まっていないのに、漏れそうになる。 - 行動のスピードが遅く、さらにその遅さを予め予定できないため、予定時間に遅れてしまうことが多い。
- 中学までは水泳部にいた。だが、今は肺活量が大幅に減った。
- 回復期病院にいた頃は、咳が出ることが多かった。
一度で始めると、長く咳が止まらなかった。
今でも、一度咳がで始めると、健常者と比べると長くかかる。 - 歌の音程が分からなくなった。
- ゲップが自分では出せなくなった。
- たまに、目が物凄く痒くなる。水で洗わないと、どんどん痒くなる。
(この原因は、他の症状とは違うように思う) - 握力:左手24kg/右手27kg
男性として小学高学年相当
(2023.1)
※倒れて4ヶ月後は、左手17kg/右手19kg だった。 - 身体障害は残っているので、体力を使うことに疲れはあるが、個人的にはスタミナは病前と同じ程度に回復しているように思っている。
●高次脳機能障害●
~失語症~
今年の変化:人との会話がおかしいと思われないようになってきた
概要: 言語機能、コミュニケーションができなくなる
私の状態:
- 【ウェルニッケ野】の障害。
話すことは比較的問題ないが、内容が相手に伝わらず、伝わっていないことにも気付かない。 - 症状が安定しない。
自分が読めていた言葉が、しばらく経つと読みづらくなる。 - 書く(Output)(文字)
長い文章を書くと、自分でもよく分からないことが多い。
書くことによって、初めて意味が理解できることがある。
→復職:若干スピードは遅いが、意識した内容を病前と同じように記載できるようになってきた。 - 話す(Output)(声)
自分で伝わる事が言えているのかも分からない。
ただ、自分で話すことで新しく自分の気持ちが分かる。
→復職:少したどたどしい言葉になるが、考えていることを伝えられるようになってきた。 - 読む(Input)(文字)
小説や新聞の内容は割と分かるが、“普通の人”が書いた言葉がよく分からない。
自分の声を出さないと、内容が頭に伝わらない。
大変なので、読もうとしないことが多い。
→復職:マニュアルやメールなどをあまり遅れず読んで理解できるようになってきた。 - 聴く(Input)(声)
人の話が文字にならない。
人の名前を聞いても、誰のことなのか分からない。
地名も、地名だとは分かっても、どこの事なのか分からない。
数字を聞いても、0~9のどれのことなのか、理解するのに時間が掛かる。
「せんろっぴゃくさんねん」と聞いても、数字にならない。
→復職:
人の名前や数字などをリアルタイムに理解するのはやはり少し遅い。
あまり頻繁に聞かない言葉は、分かる様な気がするがそれをもう一度はなそうと思うとまったく言葉として発音できない。
だが、会議の録音を聞いて議事録を書く仕事は、繰り返し聞くことで少しずつ出来るようになってきた。
可否というより、出来るようになってきたことが単純に嬉しい。
治療当初からすれば、失語症が大きく回復。
~失行~
今年の変化:ほぼ回復状態だが、違和感はある
概要: 習得していた運動ができなくなる
私の状態:
- 知っている文字なのに書けない。
特に、読めていない時は、字の形は頭の中で分かっていても、指が上手く動かない。
なんとか書けると、読み方が分かるようになる。 - 「目」や「耳」や「口」などの場所が分からないことがある。
酔っ払った時や夜中に目を覚ました時のようなイメージ。 - 洗濯物を干すとき、手をどのように動かしたら良いのか、分からなくなる。
- 腰が痒く思い、手で掻こうとするのだが、手が意志と全く違う胸部を掻いたりする。
(忘れているわけではなく、掻いた瞬間に違うと分かる)
→最近気付いたが、回復の少ない感覚麻痺が大きく影響していると思う
~注意障害~
今年の変化:回復のレベル評価はよく分からない
概要: 注意散漫で気が移りやすく、一つのことに集中できなくなる
私の状態:
- 自他共に、キャパシティが少ない。
聞いたことが、脳に残らない。(覚醒しておらず、聴こえていない) - 複数人が喋ったことが、誰が言ったのかが分からなくなる。
- ここで云う『キャパシティ』とは、言葉だけではなく、視野も。
たくさんの人がいると、眼に入らなず混乱する。 - 注意障害と云えるのかはよく分からないが、カクテルパーティー効果が出にくい状態。
『カクテルパーティー効果』とは、たくさんの人が喋っている中で、自分の相手の会話だけがキレイに聴きとれる効果。
私は、高次脳機能障害により、それが出にくくなった。
例えば、友だちと喋っている時に、隣に立っていた他人2人組が喋っていると、キーワードが混ざり合い、どちらが言った言葉なのか分からず、『失語症』まで混ざり合い、もはや全部が頭に入らない。
そのダメージだけは残る。 - 自分がなにを気にかけていたのかがよく分からなくなる。
例えば、音のことでもないのに「静かにしなければ」と感じる。
部屋で一人でブログを書こうとして、「ブログは声を出すから、息子に申し訳ないなぁ」などと思ったりする。だが、もちろん“声”を出すことではない。
~記憶障害~
今年の変化:回復のレベル評価はよく分からない
概要: 覚えられなかったり、覚えたことがすぐに抜け落ちてしまう
私の状態:
- 思い出すことには、一連の現象として、『記銘』『保持』『想起』があるが、その能力が下がった。
- 一つのことを覚えていようと思っても、2秒も経たずに忘れ、忘れたことだけが残る。
ただ、後から他人に聞いたり、自然と思い出すケースも多い。 - 自分が言ったり書いたりしたことが、後から見ると全然自分が発したことだと思えない。
- 「仕事の復帰は、PowerPointで資料を作成するだけであれば、大丈夫そうかも…」などと思っていたが、書こうとする内容をいつでも引き出せる訳ではないので、一番大事な“締切”が果たせない。
~WAIS-III 成人知能検査(IQ)~
今年の変化:未実施
~神経心理学的検査状況~
今年の変化:未実施
●障害者手帳●
~精神障害者手帳~
今年の変化:3級から2級へ
初回:交付日2020年11月11日 有効期限2022年11月30日
2期:交付日2023年4月26日 有効期限2025年4月30日 →2級へレベルアップ(?)
(期限は2年だが再申請が必要だと知らなかった)
~身体障害者手帳~
今年の変化:なし(身体障害には更新期限がない)
- 体幹機能の著しい障害(5級)
- 音声・言語機能障害(4級)
- 両眼の視野2分の1以上欠損(5級)
~おわりに~
障害者となって、3年半休職。
2023年8月より復職の可否判断を開始。
実はまだその判定結果が出ていない。
その件は、年明けに伝えようと思う。
みなさん、良いお年を!