~プロフィール~

福岡出身。現在38

2010大阪システムインテグレータ就職。

2020222倒れ、高次脳機能障害に。

失語症・失行・注意障害・記憶障害など。

身体障害手帳3級&精神障害手帳3級。

麻痺の為、杖持ち。詳細はコチラ。

 

妻と小4長男・小2次男の4人暮らし。

今年6月末まで休職中。

 

こんばんは。

 

今日、かなり驚いた。

私はどうやら、クレジットカードのなりすまし被害に遭ってしまったようだ。

これまで、詐欺被害に会ったことが一度も無かったと思う。

 

実は、この“なりすまし”という言葉が合っているのかもよく分からない。

 



前提からお伝えしようと思う。

2020年2月、私は脳の障害で倒れた。

初めは意識障害で、自分が病院にいることも分かっていなかった。

それが終わると、いろんなことを覚えてはいるから、必死でいろんなものを解約していた。

 

まずはクルマを売却することを優先した。

父や妻にLINE通話で必死に伝えて、私が急性期病院の北野病院に入院しているときに、クルマを売ってもらった。

 

その他で、日経ビジネス系を解約した。

日経ビジネスなど、仕事をしていたから自分に必須だと思っていた。

もうそんなもの、絶対に分からないだろうし、読みたくもなかった。

この“日経”というキーワードも、値段が高いことだけは覚えているのに、なんという名前の本だったのかも分からず、妻がヒクほど必死に解約したいと伝えていた。

 

それらの解約が、ある程度片付いた。

いくつか解約のやり忘れがあるだろうとは思っていたが、調べるのも結構大変だ。

ひとつは、京阪電鉄のPiTaPa。

 

 

一個一個が、失語症や高次脳機能障害の者にとって、とても大変だ。

実際、複数件を処理していると、終わらせたのかまだなのか、覚えていないことがある。

電話したという記録があっても、辞めることで話がついたのかも覚えていない。

 

本当に悔しくなるし、生きていることが嫌になる。

だから、時折時間があるときに腰を据えてやろうと思っていた。

 

 

 

今日になって、改めて契約関係の確認作業をしようと考えた。

 

口座を調べると、

「振替 SMFS(セントラルフア」

と書いてある。

 

毎回思うが、口座の「適用」は相当に使いづらい。

どこの誰が何のためにお金を動かしているのか、全部理解するのはかなり難しい。

だが、それを契約したのは自分だ。必ずやらないといけないのだと改めて感じた。

 

この名称が何の契約なのか、全然覚えていない。そんなものが、まだいくつもある。

引き落としされている日程は、一年に一度。金額はどれも1,375円となっている。

おそらく、年会費を解約し忘れているのだろうと思って、その名前で検索して調べた番号に、電話を掛けた。

 

電話を掛けても、自動音声で指定番号を選ぶことにも苦労する。メールの相談があるようなことが、ほとんどない。

自動音声を聞いて、指定の内容を判断し、それを覚えないといけない。結構大変だ。

1~5まで順番に言われるが、どれが相応しい内容なのかを比較する為に、全てを理解していないといけない。

誰でもできることができなくなっているのだと、改めて憂鬱な気持ちになる。

 

そのあと、オペレーターが応対できるまでの時間も長いが、失語症と比べれば大きな問題には感じない。

オペレーターが出たところで、すぐに解約できたわけではない。

何度も「ご希望の内容は、当窓口ではなく、別の番号のご確認ください」と言われていた。

まさに、たらい回し。

 

 

 

面倒な気持ちになりながらも続けていると、ようやく目的のオペレーターにつながった。

 

「江越様ですね。この契約は利用がない場合、年会費1,375円が掛かります」

「そうですよね。利用がなければいいです」と答えて、解約をお願いしようと思っていた。

すると、オペレーターが続きを話し始めた。

 

「あ、最近になりまして、5月にご利用があったようです」

「ん? 5月から?」

「はい、ええっと、5月24日でございます。ローソンチケットを購入されています」

「…え?ローソンチケット?」

 

自分の聞き間違いかと思った。

よく在りがちな聞き間違いではなく、私は“れっきとした失語症”だ。

ローソンチケットは、ひらかたパークのチケットを買ったことがある。

でも、最近では使っていないはずだ。

 

話を続けていくたびに、私が買った物ではない金額が請求されているのだと気付いてきた。

 

 

 

請求されているクレジットカードをオペレーターに聞くと、私が倒れる10ヶ月前に作ったカードだと分かった。

そのカードは、少なくとも私が半年入院する2020年2月から、一度も見ていない。

つまり、紛失している。

 

倒れる前の私は、クレジットカードを結構沢山作っていた。

作ったら、それぞれ特典がある。

その違いを自分で理解して、自分なりの工夫を創っていくことも勉強だと考えていた。

今考えれば、本当に軽い考えだった。

 

家の割と近くに、ホームセンターができた。

なかなか品揃えが良く感じていた。そこで木材を買ってDIYでもしようかとも思っていた。

ホームセンターの新規開店に合わせて、そこのクレジットカードを作ったら特典があるということで、テントが張ってあった。

私もそこに入会した。

おそらく、2019年5月。

 

 

でも、仕事も忙しかったから、そのホームセンターにはほとんど行っていなかった。

だから、このクレジットカードは一度も使っていなかった。

 

 

 

つまり、とうとう私も、詐欺被害に遭ってしまったのだ。

これまで、詐欺に遭う懸念は心配していたが、実際に体感すると全然違う。

 

そのあと、警察にも連絡をすることになった。

このままでは話がうまくかみ合わないことが分かっているから、冒頭に自分が失語症だと伝えた。

 

それでも、人から指示されたことを覚えようとしても、メモした内容を後から見ると、何を書こうとしたのかがよく分からないこともあった。

これが高次脳機能障害の仕事のできなさだろう。

必死に思い出していたが、日が経つともはやサッパリ覚えていなくなるだろう。

 

私が現在、そのクレジットカードを持っていない。

だから、警察からは“盗難”にはならない、つまり被害届は出せないと言われた。

 

このクレジットカードのやり取りに、ざっくり6時間ほど掛かってしまった。

1件でこの疲れよう。

 

これからは、私とクレジットカードの間で、どういう線引きになるかという話になる。

つまり、クレジット会社が私に厚遇してくれるかどうかという話。

 

取られたお金は、約3万円。

結構痛い。

 

でも、これを私がもっと対処しなかったら、もっと大きな金額被害を受けていたかもしれない。

でも、あと1週間先に解約していたら、起きなかった事象だ。

でも、そうなったら今のような注意を考える気持ちにはならなかっただろう。

 

 

 

今日、お風呂で体を洗っていると、急性期病院にいたときの気持ちを、ふと思い出した。

 

私のようなろくに行動出来ない人間が、命だけ残ってしまうと、いろんな悪い事象が起こる。

 

仕事のことでも、自分だけが会っている他社の人は、急に連絡が無くなって困るだろう。

プライベートなことでも、普段日程をそこまで気にすることはなかったことでも、何もアクションしなくなったら不都合な事態が起きる。

 

さっさと死ねば、それらが少なくて済む。

だから、私は命が助かったところで、嬉しくなんて思わなかったのだ。

 

大阪府立障がい者自立センターの利用者でも、いろいろなパスワードを忘れてアクセスできなくなってしまったという話を聞いていた。

命が助かったことを、簡単に“幸せ”だと思ってはいけないのだ。

 

 

 

でもまぁ、このくらいのペナルティーなら、もう少し明るく生きようと思う。

自分の幅が広がったと考えようと思う。