今回は、必至の基本形から盤上の駒や持ち駒を少しづつ変えていき、

必至がかかるかどうかを検証してみます。

まずは、一番有名な必至の基本形から。

第１図は必至です。

以下、

Ａ△２二金は▲３三桂△１一玉▲２一金△同金▲同桂成△同玉▲２二金までの詰み。

Ｂ△２二飛は▲３三桂△１一玉▲２一金△同飛▲同桂成△同玉▲２二飛△３一玉▲３二飛成までの詰み。

Ｂ△４二飛は▲３三桂△３一玉▲２一金までの詰み。

では、第１図で先手の持ち駒を金銀に変えたらどうでしょうか？

第２図は必至ではありません。

Ａ△９二飛と受けるのが良い手で、以下▲３三金△３一金（下図）で手がないからです。

ただし、第２図でうっかりＢ△２二金（下図）と受けてしまうと、これは必至がかかります。

以下、

▲３三金△３一金▲２二銀成△同金▲１三銀

△３一金▲２二銀成△同金▲１三金△２九飛

▲２三金打△同金▲同金右△同飛成▲同金（下図）

以下、

ａ△２二金は▲４一飛△３一合▲１一金△同玉▲３一飛成△２一合▲２二金までの詰み。

ｂ△３二飛は▲３三飛で必至。

ｃ△１二飛は▲１三飛で必至。

ｄ△９二飛は▲９一飛△３一合▲９二飛成で必至です。

次は、第２図から持ち駒に歩を一枚増やしてみました。これは必至でしょうか？

第３図は必至です。

第２図が際どく必至でなかったことを考えれば、

そこから一歩増えた第３図が必至がかかることは想像つくと思います。

第３図以下△９二飛▲３三歩で、

ａ△３一歩（香、銀）は▲３二銀△同飛▲同歩成△同歩▲２二金までの詰み。

ｂ△３一金は▲３二銀△同金▲同歩成△同飛▲３三金△９二飛打▲３二金△同飛▲３三飛（下図）で必至です。

次に、第１図で持ち駒を金飛にしてみました。必至がかかるでしょうか？

これは既に第２図の参考図で解説してしまいましたが、必至となります。

ａ△２二金は▲４一飛△３一合▲１一金△同玉▲３一飛成△２一合▲２二銀成までの詰み。

ｂ△３二飛は▲３三飛で必至。

ｃ△１二飛は▲１三飛で必至。

ｄ△９二飛は▲９一飛△３一合▲９二飛成で必至です。

では、別の有名な基本形をみていきましょう。

第５図は必至です。

▲４一金と▲６一金の２通りの詰みが同時には受かりません。

第５図で△５三金としても、▲４二金または▲６二金で詰みです。

では、第５図で５二の金を銀にかえたらどうでしょうか？

第６図は必至ではありません。

Ａ△５三銀（下図）またはＢ△５三銀打（角）とされると、攻めようがありませんね。

続いては次の必至の基本形です。

第７図も有名な形で、必至です。

以下、

Ａ△５二金は▲４一金（６一金）で詰み。

Ｂ△５二銀は▲４二金（６二金）で詰み。

ｃ△４二飛は▲６一金△５二玉▲６二金で詰みです。

では、第５図で４三の歩がなかったらどうでしょうか？

第８図は必至ではありません。

△４二飛（下図）と受けるのが好手で、▲６一金△５二玉▲６二金に△４三玉と脱出されてしまいます。

続いては次の必至の基本形です。

第９図も覚えておきたい必至の形です。

以下、

Ａ△３二金は▲４一金まで。

Ｂ△４二金は▲２二金まで。

Ｃ△４二飛は▲３二歩が好手で、

ａ△同玉は▲２二金まで、ｂ△同飛は▲４一金までの詰みです。

手順を見て分かるように、

この形が必至となるためには、金のほかに歩が一枚必要であることが分かります。

次は少し応用問題です。下図（第１０図）は必至がかかるでしょうか？

第１０図は必至がかかります。

第１０図で▲４一飛と▲６一飛の２つの詰み筋を同時に受けるには金を動かすしかありませんが、

ａ△４三金は▲６一飛△５二玉▲６二飛成までの詰み。

ｂ△５三金は▲４二飛（下図）で必至。

（以下△５二銀は▲４一と△同銀▲６二飛成で詰み。）

ｃ△６二金は▲４二飛△７二金▲同飛成（下図）で必至です。

続いて第１１図は必至がかかるでしょうか？

第１１図は必至がかかりません。

△５二銀（下図）と受けられると、

以下

Ａ▲８二飛には△９五角（または△６一香）、

Ｂ▲７一飛には△６一香で攻めが続きません。

続いて第１２図は必至がかかるでしょうか？

第１２図も必至はかかりません。

△４一銀（下図）と受けられると、

以下

Ａ▲５一飛には△４二金、

Ｂ▲６二飛には△７一金、

Ｃ▲３二歩には△同銀▲６二飛△７五角（または△４一香）で攻めが続きません。

まだまだ調べたい形がたくさんありますが、今回はこれぐらいにしておきましょう。（次回に続く）

必至検証１