こんにちは、新米診断士です。今回は、いよいよ始まる「企業診断実習」についてお話ししたいと思います。養成課程のメインといっても過言ではないこの「企業診断実習」では、一体何をどのように進めていくのか、10日間という長い期間他のメンバーとの関係はどうなの、が上手く伝われば良いのですが・・。それでは、よろしくお願いいたします。

 私の入った養成課程では、6ヶ月間に計5回の企業診断実習が予定されています。この5回というのがミソで、これより少なくても物足りないし、これより多くてもダレてくるし、「ちょうど良い」回数だったと感じています。1回目から3回目まではテーマを決めて、例えば「生産性向上」、「マーケティング」、「経営戦略構築」などに絞った診断内容です。4回目と5回目はテーマを決めずに、文字通り「企業を診断」して、その企業に必要な課題を設定して、その企業に必要な戦略を構築して、その企業に必要な具体的施策を提案し、目標数値、財務分析までをトータルに分析するのです。これを養成課程受講者の何人かがグループで担当し、企業に出向いて行います。もちろん、インストラクター役として講師の方が付き添っていただけます。1企業に大体8~10人でお伺いします。場所は南は沖縄から北は北海道までありとあらゆる都道府県に出向きます。診断実習を受け入れてくれる企業を養成課程本部が募集するわけですね。おそらく費用はゼロか限りなく低い報酬で。そして応募いただけた企業様を、中小企業診断士の“たまご”がその練習(失礼な言い方ですが)として診断にあたるわけです。受け入れてくれる企業様には本当に感謝しています。

 そしていよいよ1回目の企業診断実習が近づいてくると、“診断先候補企業”が提示され、希望する企業があれば、実習生が〇を付けていきます。希望者が定員をオーバーしたり、足りなかったりしたときは、希望者同士で“話し合い”調整します。ちなみに私の1回目は岐阜県に決まりました。関ケ原には行ったことはあっても、それ以外の岐阜県のことは全くわかりません。もちろん、実習のことで頭がいっぱいで観光することなんてこれっぽっちも考えていませんでしたが。

 実習初日の2週間前位に、実習先企業の事前資料が渡されます。これらの資料である程度予備知識をたたきこんで、一定のプランを想定するのです。例えば、財務資料を確認して、「営業利益」に課題がありそうだ、じゃあ商品の粗利は、商品の仕入れ先に問題はないのか、では粗利の高い新商品を開発する必要があるな、とか。そうった事前分析を済ますために各資料が渡されます。診断実習には上述したように8~10人で訪問するので、テーマごとに大体3~4つの班に分けて手分けします。「財務」担当班、「マーケティング」担当班、「組織」担当班のように。実習初日までに何回も皆で集まって、自身の属するテーマについて進捗を報告しあうのです。今回1回目ということもあり、勝手がわからない者同士、おそるおそる取組んでいましたね。このときに思ったのは、ある程度エクセルやワード、パワポは使いこなせるようになってないと、診断以前に苦労する、ということです。受講生には、大手企業の人も多く、レベルが高いという話はしましたが、そういった方々は当然のようにエクセルやワード、パワポを使いこなしているのです。まさに私は井の中の蛙状態でした。なので最初に非常に苦労しました。何を言ってるのかわからないこともままあり、そのたびにスマホで言葉を検索して吸収する作業が必要だったのです。まあでも、わからないことはわからない、そんなスタンスで周りの皆に助けてもらって何とかサマになったという感じでした。情けない・・。また、「班長」と「副班長」など役職を決めて、基本的には「班長」が班員をリードして進める仕組みです。これまた色々と物議を醸すことになるのですが、それはまた後日・・。

 そんなこんなで、いよいよ企業診断実習1回目の始まりです。あらかじめ本部から受け取っていた新幹線のチケットを握りしめ、東京駅から新幹線に乗り込み、初夏の香り漂う岐阜県に到着です。新幹線の車内では、それまであまり話すことのなかった仲間ともたっぷり話もでき、これから10日間同じ釜の飯を食べる他の仲間とも徐々に親密になっていく感じがします。さあ、これから10日間、大丈夫かな~、インストラクターの先生が良い人だったらいいのになぁ(現地で初めてお会いすることになっている)、なんてことを考えながら岐阜の街を歩いていました。早速明日は企業に初めて訪問する日です。それについては次回に持ち越しです。では、また。