シアターグリーン学生芸術祭 Vol.12
来月の舞台公演の参考にと、池袋の演劇祭に行ってみる。けっこう活況(かっきょう)で、2度とも満員だった。
大学生が書く台本は今となってはとても新鮮で、青春時代の映画がいつでも輝いて見えるのと同じようにまぶしかった。
もちろん将来プロになりたいと志している彼らは、いろいろ研究して臨んだであろうこの舞台を彼らなりの解釈で挑戦していて、きっとこうした人材が明日の業界を背負うんだろうなとふと思えた。
しかしもっと言えば、どちらかといえばどうやってもこの先が無いだろう、という作品の方により僕はドキドキした。
先が無い、というのは業界に鑑(かんが)みて将来予算を組んで企画を立てにくいということであり、それでもこの先の命のことなど考えずに小劇場でしか生きられない何かのように汗を流している彼らにより、何なのか心配なのか解らないがとにかく感動した。
とはいえ、かつての小劇場ブームも最初はこのような形で始まったのだろうし、それを考えるとこの瞬間がとても貴重に思えてワクワクせずにいられなかった。
じぶんが年齢をとったりして環境が変わると、確実に見え方が変わる。それに良いも悪いもない。不思議だ。