一点買いの投資家 | 渡部遼介オフィシャルブログ「Ryosuke’ Note」powered by アメブロ

一点買いの投資家

俳優としての仕事はさまざまだ。


映画やTV以外にもCMやインターネット等、いまや多くのコンテンツが存在する。


もちろん、舞台もある。


しかし若い俳優志望者は、映像志望が多い。

それは当然で、産まれたときから無料で家で観られるのだから、よっぽどの事情がないかぎり舞台に触れ始めることはない。


しかし俳優の活動の場は、大半が小劇団。


毎回のノルマ。稽古期間や本番はもちろんノーギャラだ。

そのほかに衣装や制作、その他もろもろの手伝いにかかわることも多い。


仕事として考えればもちろん破綻(はたん)しているが、表現者は金がすべてではない。

むしろスポンサーがついてその自由が奪われてしまうなら、このままでいい。



ところが。



本当は映画に出たいのだという。


本番を重ねて実力を上げていくのは、素晴らしい。

しかし両輪のうち片方が足りない。

かのじょは映画業界に選ばれていないんじゃなくて、単純に知られていないだけではないだろうか。



マネージャーは? と尋ねると、いない、と。

いつか劇団ごと売れるか、作家が引き上げてくれるのをまっているのだ、と。


だんだん機嫌を損ねてきたようで、ぼくは話を止めた。


一点買いの投資家の結末を、思い出していた。