これはスポーツではない。 | 渡部遼介オフィシャルブログ「Ryosuke’ Note」powered by アメブロ

これはスポーツではない。

チャンスが一度きりなのは、なにも本番ばかりではない。稽古場にはそれより長(た)けた目が、きみのその覚悟を伺(うかが)っている。

繰り返すための自由が何度もあるなんて、この中のだれか口にしたか? 演出家が粘り強いのは、全員の自由を奪(うば)ってでも解消すべきボトルネックに出くわしたからだ。


実の場合、舞台演技は格闘技と同じか、それよりももっと深刻だ。誰かが一方的に打ちのめされても、割(わ)って入るレフェリーはいない。これはスポーツではないからだ。

しかし真(しん)の理由はそれではない。

喰(く)らったダメージに打ちのめされるのは、きまって研ぎ澄まされている演者、演出家、観客等。
ボコボコにされる俳優はたいていがパンチドランカーで、タオル投入も気づかず、あまつさえ勝ち名乗りを受けているかのよう。

観客はブーイングの許されない雰囲気の中で、静かにその席を立つほかはない。だが、それだけは決してさせてはならない。