最低のライン | 渡部遼介オフィシャルブログ「Ryosuke’ Note」powered by アメブロ

最低のライン

稽古場の空気が変わった。方法が統一され、行き場のなかった人たちにも集中する先ができた。舞台上の言いようのない淀(よど)みが沈殿(ちんでん)し、あとには質のよい緊張感が残った。28人がメリットになった瞬間だった。

しかし厳しいことを考えるなら、ここまでは初めから個人で用意すべき範囲だ。

本番まであとひと月。通常なら今くらいが稽古を始める時期だが、ちょうど追いついたくらいだろう。ただし意志統一はすでになされ、この集団は今後どこよりも加速する可能性がある。
今後は一朝一夕(いっちょういっせき)につけた道筋(みちすじ)をどう安定して歩けるかが課題だ。意外に難しいかもしれない。

そうなってきて明るみになる問題も多々(たた)ある。このレベルを死守することが、今後の最低ラインだ。