映画の選び方。
映画という映像作品を見る以上役者の表現を楽しむことが不可欠になる。
役者を一括りにしては役者を理解することは不可能である。舞台役者と映画役者では持っている能力が違いすぎる。舞台役者は役の感情を深く理解する力だけでなくそれをもとに役を表現する力が要求される。それゆえ舞台役者は表現力に秀でている。一方で映画役者は役の感情を深く理解する力と一応の表現力さえあればカメラが表現を助けてくれる。演出家の腕がないと良い表現が完成しない。舞台役者と映画役者では表現力に大きな差があるのだ。とはいえ舞台役者が映画役者の上位互換であるわけではない。舞台役者は表現が重視される弊害として役の感情を繊細に表現することを制約される。つまり伝わりやすい表現と繊細な表現の調整が必要になる。舞台役者はここに弱点を抱えているのだ。
映画=役者の理解力+役者の表現力+演出家の腕
舞台=役者の理解力+役者の表現力
映画を選ぶ際は役者の理解力と演出家ないし監督の腕を重点的に評価し、役者の表現は補助的な評価要素としてよい。
監督の腕は受賞歴から分かるだろうが、役者の理解力はどうやって知ることができるのだろうか。