どうもこんにちは。MC派遣社員です。本日はたくさんのご要望にお応えして、ブラックボックス展のネタバレブログを書きます。長めなので時間が無い人は3から読んでもらっても結構ですが、ブラックボックス展ってなに?知らないんだけど。って人は1からどんなものなのか予想しながら読むことをオススメします。もう予想なんてとっくに終わってるよ!って人は3からお読みください。
1.前情報、伏線
8/14、僕は彼女であるさきちゃんと大学の親友むさし君とブラックボックス展の列に並んだ。並んでる時点でのツイッターなどから得た情報は
◎怒り、発狂、泣く、失望、絶望、悔しさ、恐怖などの感情が現れる
◎入る前被害者、出た後加害者
◎すぐ出る人もいる。かなり長い時間いる人もいる
◎謝り続ける人がとても多い。
◎SNSをやる人は行った方がよい
◎千円払う価値がない
◎がっかりした
◎家に帰っても震えが止まらない
◎自らも展示物になる
◎カップルで行くと別れる(?)
などだ。
しかし、ネタバレは禁止。SNS最盛期のこの時代にネタバレを完全禁止するなどありえるのだろうか?
無論、そのように考えたあとはひたすらツイッターでネタバレを探しまくった。なんとなくのネタバレのようなものはあるが、どうも中身がわからない。中は暗いんだろうな、程度だ。
僕の考察としては、とても悲惨な何かがあるのかな、と。死生観に関わるような。
2.予想
そこで、このイベントの主旨を詳しく調べることにした。
◎サザエbotというアカウントの管理人「なかのひとよ」が開催
◎元々無料開催だったが、行列が連日続いたため、入場料1000円に
◎人気のため開催期間延長
◎暴れて展示物を壊す人がいたため休廊の日もあった
◎人数制限のためか、入り口の黒人さんが、独自の選別基準によって「入場できる人」「できない人」を振り分けて行く
◎どんどん奥に進んで行くと色々恐ろしいことが起こる
◎一切の苦情を受け付けない
つまり、これだけ謎の個展でありながら、2時間並んで、門前払いもありえるということです。謎すぎ…。
その日はさきちゃんとむさしは入れましたが、僕は弾かれました。
「Oh!Shit!」
「受付終了」の札を持ったスタッフが…。アウトです。そうです。いつ終わるかもわからないのです。
3.入場、ネタバレ
6/16(金)。最終日の1日前ですね。前日から新ルールが課せられていました。
「アルテマウエポン」です。入り口の黒人がたまに列を見回って、騒がしくしてる人、2列以上で並列してる人、また、その前後の人を強制帰宅させるシステムです。ひどすぎワロタ…。
この日は高校時代からの仲の良いSちゃんと、同じく仲の良いカンタくんと行きました。
列は今まで見た中で1番長く、ひたすら僕らはおしゃべりしてました。
僕がめっちゃ韻踏んで遊んでたあたりで、背後から忍び寄ってきた黒人さんにアルテマウエポンを食らいました。全員強制帰宅…。
諦めてなるものか!そう思った僕らは最後尾に並び直しました。(多分本当は反則。ごめんなさい。)
そして、ついに順番が!
そして…無事3人は入れました!よかったー!まずネタバレ禁止(開催期間中の。)の同意書を書き、2階に上がります。入り口の手前には黒丸の小さなシールが置かれていて、スマートフォンのフラッシュ部分に貼ります。僕は間違えてインカメに貼りました…。
さて、2枚の暗幕をくぐり中に入りました。一歩踏み入れるとそこは、、、
真っ暗。
暗いところで目を瞑ったかのように何も見えません。どう目を凝らしてみても全く見えないのです。そして、すぐに、前方から歩いてきたであろう人らしきものにぶつかりました。
その瞬間、僕「あ、すみません。」
これです。この後も謝り続けるのです。
手探りで奥に進んで行くと、壁にぶつかりました。恐らく、横10m×縦20mの長方形の部屋になっていたと思います。
中にいる人の人数は30人程度といったところでしょうか。たまに入場者が暗幕をくぐる際に明かりが差し込み、中の仕組みがチラリと見えるのです。
そのあともたくさんの人にぶつかりました。謝る人、謝らない人、いや、わざとぶつかるように歩いてるんじゃないか、って人。様々です。
展示はそれだけです。この仕組みに失望する方もたくさんいらしたことでしょう。それとも怒りでしょうか。純粋な恐怖でしょうか。
僕は入ってから10分ほどは、正直、足がうまく進められないほどの恐怖でした。
しかし、10分も経ってくると、この空間に慣れてくる自分がいました。この部屋で10人ほどがそうしていたように、壁沿いに僕が座り込んだのも、ちょうどこの時間帯です。
何も考えず、ただただ暗闇を見つめていました。
そこには不思議と落ち着き、安らぎ、、、表現し得ない気持ちが確かにありました。
15分をすぎたころでしょうか。
何人かのマナーの悪い人々がスマホで時間の確認か何かを始めました。部屋の片隅でスマホの明かりがつくと、全員が不機嫌そうな様子でそちらを見ます。それはそうでしょう。「空間」を破壊しているのですから。僕も同じ気持ちでした。
暗闇で蛍光色に光る靴を履いた人が入場してきた時も同じことが起こりました。
続いて女子高生2人。実はこの中、私語厳禁なのです。しかし、この2人、「えー、これだけ!?笑 千円払う意味ないじゃーん」「それみんな思ってるよー笑」と大声で会話。すると、その行為を見かねた他の男性入場者が注意しに行きました。
僕と別に入場したカンタくんとSちゃんはバイトだったため、一緒に行動し、早めに帰る予定でした。
僕が暗闇を歩いていると2人の会話らしきものが聞こえました。
僕は面白くなって後ろで盗み聞きして笑っていました。
4.ネタバレを隠す魔法
40分をすぎたころです。何もすることないな。さっきまでは終わりの時間までここにいようと思ってたのにな。そう思った僕は個展を後にしました…。
帰りぎわにこれをもらいました。
要約すると
①感想(絶賛、酷評)のツイートは可
②嘘のネタバレをほのめかす内容は可
なるほど!嘘のネタバレオーケーと言われればしたくなるもの。嘘のネタバレや、嘘のネタバレを想像してしまうようなツイートがネット上に転がっていたのですね。ネタバレしてはいけない、と言われればしたくなるのが人間の心理。それを逆手に取ったなかのひとよ氏。あっぱれです…。
4.考察
果たしてこれはなんだったのか?ものすごく恐ろしいものかと思いきや、何も無いただの真っ暗な部屋。ドッキリでしょうか?巧みな客寄せトリックだったのでしょうか。話題が話題を呼び、大盛況に終わったブラックボックス展。一体なんだったのでしょうか。
なかのひとよ、サザエbotはこの社会に様々な問いかけをツイートなどによって行ってきました。SNSを使って、話題を使っただけに、僕にはこんな考察が浮かび上がりました。
「SNSの可視化」
特にツイッターのことでしょう。あの真っ暗な空間はTwitterだったと考えると全て納得が行くのです。まず、Twitterとは基本的に匿名です。つまり、顔が見えないのです。そんな相手とはしばしばトラブルも起こることでしょう(ぶつかる)。その時、謝る人、謝らない人、わざとトラブルを起こす人。様々な人がいることは確かです。顔が見えないからこそなんでもやり放題なのです。事実、「人間かどうか確かめるためにめちゃめちゃ前の人の頭触った」と語る僕の先輩のゆりさん(綺麗系)。その人のアカウントを覗きにいった、というところでしょうか。実はたくさんの情報があるようで、中は狭い、暗闇。実際、皆さんもブラックボックス展について様々な予想をしたことでしょう。情報に騙されず、正解を導き出せた人はいたでしょうか?本当は狭い空間をさまよっていただけでは無いのでしょうか?
最後のなかのひとよのツイートからもわかるようにこれは個展、アートを利用した警鐘なのかもしれません。
では、入場者の選別やアルテマウエポンによる強制帰宅はなんだったのでしょうか?これにより、入場制限を受けた人は、後日、服装などを変えて来るよう、主催側は伝えていました。
まず、選別はいわゆる「ブロック、ミュート」にあたるのでは無いでしょうか。フォロワーが増えれば、自らの「空間」を荒らしに来るものも増えます。それを未然に防ぐ手立てがこれです。そして、さらにフォロワーが増えれば、タイムライン上に流れる不審なものをブロックしたりもするでしょう。
さらに、ブラックボックス展内ではこんなことも起きました。1人が拍手を始めると、また1人、また1人、、、そして20人ほどが拍手を続けたのです。リツイートでしょうか?情報の伝達は確かに行われたのです。誰も「後に続け!」などと言ったわけではないのです。
暗闇でマナー違反をするものがいれば、それを皆で睨み、排除しようと試みます。
5.ネット世界から抜け出せるか?
むさし(入場した友達)「つくりがちょっと悪かったかな。明かりが入って来るとたまに部屋の仕組み見えちゃうし。」
これだけ精巧な個展でありながらこんなミスがあるでしょうか?僕はこう考察します。バーチャル世界である暗闇に、リアルな世界の光が少しでも差し込むと、なんとなく全貌が見えた気がして心が落ち着くのです。何もかもわかった気になるのです。そこに居心地の良さを感じ始めるのです。僕が滞在して20分ほど経って、座り始めたのはそのせいでしょう。
そしてその空間に飽きて出た時の自分は「結局、暗闇なんてどうってことなかったかな。」そう思ったのです。バーチャルから抜け出せなくなっているのではないでしょうか?暗闇(バーチャル)への警戒、注意の念が薄れたのではないでしょうか。
そして親友のむさし君はもう1つ。彼だけが気づきました。ほとんどの人が気づいてないと思うのですが、部屋を出るときに少し上を見るとそこに小さな鏡があるらしいのです。自分の顔だけが映る小さな鏡です。あなたは自分自身がしっかりと見えているのか?そんな警鐘ではないでしょうか。
僕にはフォロワーが18000人います。フォロワーと会うときはそのアカウントの名前で呼ばれています。もしもTwitterが突然無くなったら、僕はフォロワーにとっては他人でしょう。僕は今Twitterが無くなってもそのことを理解できるのでしょうか。そんな問いかけなのかもしれません。
6.最後に
個展に行く前の伏線を個展内、またはこのようなネタバレによって回収し、このあとの人生でさらに納得、理解を得て行くでしょう。もしかしたらこの個展のことを忘れてしまうかもしれません。ネットの情報などそんなものです。どちらのパターンになってもあなたの中でなかのひとよの個展は終わらないのではないでしょうか。
ほんとはもっと言いたいことがありますが、ぜひみなさんもこの機会に色々考えてみてください。おこがましいかもしれませんが、みなさんにも同じ気持ちを味わってもらいたいという淡い余韻を残したいのです。
おわり。