気まま旅行記~一人旅ノスゝメ

気まま旅行記~一人旅ノスゝメ

今まで行った旅行について
旅に目覚め、無謀でも想いだけで飛び出した記録

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万座毛を後にした私は、美ら海水族館のある本部方面へと向かった。
しかし私は美ら海水族館には行っていない。とても行きたかったが、私は水族館に行くと1日かかるので、今回は見送ることにしたのだ。魚を見ているのは好きで、一つ一つじっくりと見てしまう。更に食用の魚だと、どうやって食べようかなどと考えてしまい、水槽の前で1日眺めているのだ。

私は前日に宿で知り合った同い年の女の子から、本部半島の北側にある古宇利島という島の海が、あり得ないほど綺麗だと聞いていたのを思い出し、一路古宇利島へと車を駆った。
沖縄本島の周りには、橋で渡れる島がいくつかある。古宇利島もその様な島の1つであり、気軽に行ける離島だ。
古宇利島へと手前の屋我地島を通り、橋を渡って到着した頃には、太陽がすでに傾き、空はオレンジに染まっていた。
駐車場に車を停め、ビーチへと向かって歩いていく。どうやらこの島は恋人達の聖地らしく、周りはカップルが多かった。
後から調べたことだが、この古宇利島は沖縄版アダムとイブのいた地だそうだ。それでカップルが多かったようだ。
砂浜に降りると、仲良さそうに歩くカップル達と、地元の子供達が夕方というのに海で遊んでいた。橋の欄干から飛び込んだり、無邪気にはしゃいでいる。
私は端の方まで歩き、そこの岩に腰掛けた。
海は限りなく透明である。ビーチは砂というより、細かい珊瑚の欠片のような粒々が敷き詰められていた。
浅い海が遠くまで続いている、透明な水はしばらく行くと、徐々に水色かかり、スカイブルーの海となっていた。市民プールの水より遥かに透明である。
その透明度に感動した私は、靴を脱ぎ捨て、くるぶし辺りまで足を海水に浸した。
それを写真に撮ると、どこが水の境かわからないほどであった。
透明な海水に明るい水色の海、鮮やかなオレンジの空と子供達の声、そして寄り添う恋人達。
沖縄というのは本当に関東では味わえない、映画のような空間を与えてくれる。
ふと、足元で動く小さなものを見付けた。
しかし、動いたようなやっぱり動いてないような…
しばらく凝視していると、貝殻がひとりでに動いている。
ヤドカリである。私は本物のヤドカリを初めて見た。
その後、釣りを始めた私は関東の海でもヤドカリを目にすることになるのだが、初めて本物を見たときはなんとも感動した。
そしてちょこちょこうごく貝殻がとても可愛らしい。その貝殻を持ち上げると、ヤドカリは貝の中に閉じ籠り、ハサミで蓋をしている。
しばらくそのまま持っていると、わしゃわしゃと姿を表すのだが、まだ持たれていると気付くとまた閉じ籠る。
なんだかお茶目に見えて愛くるしかった。
しばらく景色とヤドカリを堪能し、足を拭いてスニーカーをはき、車へと戻ろうと浜辺を歩いていると、砂浜の坂の上からコロコロとヤドカリが転がり落ちてきた。
なんとも可愛い奴らである。気付くとその浜にはヤドカリがたくさんいた。
そんな微笑ましいヤドカリ達を後にし、車に戻る。

車に戻った私は、重大なことに気が付いた。
それは今夜の宿を確保し忘れていた事だった。
移動の途中で、携帯でホテルを予約するか、見付けた民宿にでも泊まろうかと考えていたのだが、民宿はなかなか見当たらず、ホテルの予約も忘れていた。
仕方無いので、古宇利島から橋を渡って本島に戻り、民宿を探したが無く、そのうち辺りは真っ暗になってきた。
こうなったら仕方無い、今日は車中泊と決め、行ける限り車でいろんなところに行くことにした。
無計画でもなんとかなる、一人旅の良いところである。
暗くなったので、コンビニで軽く食事を済ませ、給油もし、どこかまた島に渡って星を見ることにしたのである。

せっかくならば、砂浜で波の音を聴きながら星を見ようと、ビーチが綺麗だと聞いていた瀬底島へと向かう。
瀬底島は古宇利島から本部半島を挟んで反対側にある。本部半島を突っ切っていく。
瀬底島へ辿り着いたときは、夜も9時を過ぎていた。
島内は灯りも少なく、ひっそりとしている。
瀬底ビーチへと向かうと、夜間は立ち入り禁止となっていた。仕方無いので、どこか暗い場所を探し島内を走り回ってみた。
島の中心辺りは何かの作物のビニールハウスが立ち並び、そのビニールハウスは梨畑の様に灯りが付いている。暗い島内に、その辺りだけが煌々と光っている。
その畑を抜け、坂を下ると真っ暗な場所を見付け、そこに車を停め、空を眺める。
月の無い黒い空には、無数の星が光っていた。
一面の星空である。どんな空気の澄んだ冬の丹沢でもこんなに星を見たことは無い。
星が有りすぎて星座がわからないぐらいである。
ほんとに星空が綺麗だった、感動で一人思わず声が出た。満点の星空といえる夜空を初めて見た。
時間も忘れ、心地よい潮風に吹かれながら、ただただ空を眺めていた。
どのくらい眺めていただろうか、ふと我に帰り、次へと向かうことにした。
石垣島や西表島などはこれより更に星が多いというから、一度見に行ってみたいものだ。

今日の宿は車のなかと決めたが、その車をどこに停めるかである。
沈む夕陽、満点の星空は見た。それなら朝日を見よう。
本島の東側に東村という場所があり、そこには慶佐次湾のヒルギ林というマングローブが自生する汽水の川がある。
朝日を見て、マングローブを見ようと、東村へと目指すことにした。
本島の西側から東側へと行くには、中央の山を抜けていかなければならない。
地図で道を見付け、深夜の山原を走り抜けていった。
島を横断するその一本道は、両側を鬱蒼とした森に包まれ、登り下りを繰り返しながら、豊かな自然を突き抜いていた。
途中、ポツンと自動販売機があり、そこでさんぴん茶を買う。ジャスミン茶の事である。
ジャスミン茶は沖縄ではさんぴん茶と呼ばれている様だ。どこの自販機にも必ず500mlの缶入りさんぴん茶が売られていた。
すると、森の中からなんとも形容しがたい鳥のような奇妙な鳴き声が響いた。
周りは真っ暗な森林である、さすがに私も怖くなったが、もしかしたらヤンバルクイナ?などと少し期待もした。
その声の主は姿を現さず、私は車に乗り込み、更に先へと進んだ。
対向車も全くいない。街灯もない真っ暗な道は私ただ一人だけである。
そんな道を走っていると、急に道路の真ん中に異様な物を見付けた。
茶色く平たい丸い何かだ。
慌ててブレーキを踏み、タイヤで踏まないようにハンドルをきったが、見付けたのがすぐ手前だったので、車はその物の上を通った。何も衝撃がなかったので、踏むことも、車の下に当たることもなく、無事に通り過ぎることが出来た。
車のライトが照らしたその何かは、とぐろを巻いたハブであった。
いきなり目の前に物が出てきた驚きと、思いもよらず沖縄名物?のハブに出会った事に一人興奮していた。
さすが自然が豊かな場所である、変な鳴き声の生物も、ハブも、そこには生きていた。
それにほんとに蛇ってとぐろ巻くんだなぁと、今まで偶然に鉢合わせた蛇はいずれも這っていたので、とぐろを巻いてるのは初めて見た。
そんな道も森を抜け、遠くまで黒く広がっている海へと出た。
どうやら東村に着いたらしい。
ヒルギ林の方へと向かい、東に面する海辺の広い道路を見付け、車をそこに停めた。
窓を開けると、潮風と波の音がする。
時間は1時をとっくに過ぎていた。
朝から深夜まで運転し続けていた為、さすがに疲れていた。
シートを倒し、目をつぶると、いつの間にか眠っていた。
四日目の後半は殆ど行き当たりばったりで進んできたが、予定通りでは味わえない面白さを見付けることが出来た。