グランプリファイナル男子SP
「ミスをしなかった者が勝つ」
宇野選手が試合前に語っていた言葉を実感するSPだった
最終滑走者の羽生選手
コールされてリンクに出ていく
何かをつぶやいた後、力強く「できる」と3回繰り返す
演技直前の表情にはすごく緊張しているのが感じられ
祈りながら見つめる
最初の4ループを何とか耐えてからはもう完璧だった
4S+3Tのコンビネーションを鮮やかに決めると
後は彼自身の感情を解放させることで
どんどん観客を惹き込んでいって
試合会場をコンサートの熱狂的なライブショーに変えていった
プリンスとも違う、羽生選手にしか作り出せない「Let's Go Crazy」の世界を
印象に強く残ったのは最初のループの着地をこらえた後、すごく笑顔だったこと
あの後から表情が柔らかくなり、力も程よく抜けたように感じた
試合後のインタビュー記事を読んで
ノーミスへのプレッシャーからか、かなり緊張をしていたこと
最初のループの失敗で緊張がいい具合にほぐれ
重圧から解放されて音楽に合わせて気持ち良く滑れたのだと知った
そしてもう一つ印象に残ったのは
はげしくステップを踏みながらも観客に何度も視線を向け
時には頷き、時に挑発的な笑顔や手で煽る仕草を見せながら
会場と一体になろうとしていたこと
「観客とコネクトする」
彼が目指すものが見えた気がした
繰り返し彼が語っていた「観客とのコネクト」
それがこの「Let's Go Crazy」のプログラムには必須なのだろう
「観客がいなければ完成しないプログラム」なのだと彼自身が語っている
観客とコネクトすることによって
音楽や音にぴたりとはまっていた彼の演技が観客の心の中に入り込み
彼の感情と観客の感情が共鳴し
人々の心を揺さぶり熱狂させていく
そして観客の熱狂がまた彼の演技に熱を注いでいく
観客と一緒にひとつの世界を作り上げていくのだと実感できた
「この曲はコンサートにいるようで、自分は滑りながらロックスターでありたい」
とプレカンで語った通り、今日の彼はロックスターだった
「まだ伸びしろはある」と彼は語る
プログラムは進化していく
この「Let's Go Crazy」のプログラムもどんどん彼自身のものになっていく
プリンスの歌声とギターの旋律を従えて
彼自身が音を刻むリズムになって
観る者の心をその世界へ連れていってくれるプログラム
その心地よい余韻にずっと浸っていたいと感じる幸せなSPだった
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