8年ほど前のこと、仲間4人で台湾サーフィンツアーに出かけた。

目的地は南台湾の墾丁というところ。寒い日本を離れ、台湾で思いっきりサーフィン漬けの日々を送るべく、しかもハワイと違ってポイントはめちゃ空きという情報に、期待を大きく膨らませ日本を出発した。

その当時は今と違い、旧羽田空港ターミナルが中華航空専用となっていたため、羽田から台北へと向かうことに。目的地の墾丁には、台北から国内線乗り継ぎで高雄まで行き、そこからバスまたはタクシーで90~120分ほどかかるという。ただ、バス・タクシーでは一度に4枚のボードと各自の5日分の荷物を運ぶのは難しい。そこでサーフボードを抱えた一団はバス・タクシーを諦め、1BOXをチャーターし墾丁まで行くことにした。

空港の外で待機している現地の白タク群に混ざって、たしかフォードだったと思うが、いわゆるミニバンを発見。早速交渉を始めようと声をかけたところ、相手の顔には額から頬にかけて縫い目がある。一瞬ビビッたが後には引けない。口調は友好的だがその風貌からくる威圧感からか、不安感は拭いきれない。それでも交渉の結果、墾丁まで日本円で1万円くらいで運んでもらうことになった。

ところが相手がいうには、この運転手だと墾丁まで行けないので、別の運転手に交代しなければならないとのこと。高雄市内の事務所で運転手を交代し、それから墾丁に向かうという。仕様がないのでOKし、車に乗り込んだが、相変わらず不安感は解消されないまま、むしろ事務所に寄るという話が追い討ちをかけることに。

連れて行かれたのは、車の修理工場に似た雰囲気のところで、事務所内ではこれまた上半身裸、ランニングシャツを着た男達が麻雀の真っ最中。その中の一人が呼ばれ、交代の運転手として乗り込んできたが、こちらも堅気には見えない。ますます募る不安感を胸に、一路墾丁へ向けて再出発。

なんとか気分を盛り上げようと、どうでも良いことをしゃべり続けてはいたが、それも荒っぽい運転のおかげで中断の繰り返し。郊外の道路はほとんどが片側1車線だが、そこを平均速度100kmくらいで走行、少しでも前が詰まると反対車線にはみ出ては追い越しをかける。前から車がきていてもお構いなしに突っ込んでいくのには、生きた心地がしなかった。

この状態が1時間ほど続き、ようやく墾丁に到着。全員クタクタになっていたが、緊張感から開放され無事到着できた安堵感からか妙にハイテンション。額に縫い目のある男の、また今度も使ってくれという言葉にも「Of course!」と大きな声で答え、握手して別れた。本音は二度と乗りたくなかったが、日台友好のためにもここはひとつ、大人の対応をといった意識が働いたのかもしれなかった。


To be continued......

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