【さよならの言い方なんてしらない。9】



架見崎シリーズ第9巻



基本的には香屋歩が主人公の物語だけれど、今回の主人公は概ねユーリィだった。



これまではどんな場面でも飄々としていて、余裕しか見せていなかったユーリィのとても人間味のあるところが多々あり楽しませてもらった。


特に、タリホーとユーリィの関係性がよくわかる第二章『2分の1のヒーロー、1000分の1の死因』が刺さった。ユーリィが架見崎に来る前にあった物語とタリホーとの出会いが、ドラマチックに語られているんだけれど、結果の委ね方がとてもユーリィらしくてカッコよかった。これはユーリィ推しが増えるのでは?



世創部と平穏との対決は今回の結果をもっていよいよラストが見えてきているように感じるけれど、この局面にユーリィがどの程度に影響力を与えることができるのかが第10巻の見どころになるのではないかと予想。



架見崎での戦いは序盤は頭脳戦の印象があったけれど、刊を経るごとに現実との関係性も出てきて、俯瞰的な考え方が良い感じに戦いのアクセントになっている感じがする。



第10巻では架見崎にどんな戦いが起こるのか、どれほど現実に影響を与えることができるのか。これまで以上に物語が大きく動く予感。



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