【アンドロイドは電気羊の夢を見るか?】


・ローカス賞

・映画化名「ブレードランナー」


人間と、アンドロイドを対比することで、人間の共感性や感情移入といった感性が如何に素晴らしいことであるかを感じることができる。(もしこれを読んでいるアンドロイドがいたら、このような表現をご容赦ください)



これは、第三次大戦により、生きている動物を所有することが地位の象徴となった世界が物語。

主人公リックは人工の電気羊しか所有していかなかったが、本物の動物を手に入れるために、懸賞金のかかったアンドロイド狩りを決行する。



本作の注目点の一つは、「アンドロイドと人間の判別の仕方」だろう。フォークト=カンプフ検査法というものを用いている。この検査がどういうものかは詳しく触れないけれど、これにパスできるかどうかで人間かアンドロイドかを判定するというのである。要するに、見た目では人間とアンドロイドの判別が難しいため内面で判断しようというのである。


冒頭で触れたが、人間とアンドロイドの間に共感や感情移入という隔たりがあるという見方はこれまでしていなかったので、新鮮であったし納得した。ただ本作は、人間全ての人が共感性や感情移入の感性を充分に持ち合わせている訳ではないことにも、上手い具合に触れていると思う。




小説を読む人と読まない人で区別したい訳ではないけれど、私のように小説を読むことが好きな人にはどこかしら共感や感情移入に向いている傾向があるのかもしれない。それは本作で言えば人間らしさの一因だし、私がアンドロイドではない今のところ唯一の証明かもしれない。(私が気づいていないだけで体のどこかに制御パネルの蓋があるとしたら話は変わってくるが、、、)


とにかく、小説好きかはさておき、本作を読んで自分の心が動くのか、人間という確信を持ちたい方はこの小説を手に取ってみてはいかがだろう。

あと、リックが無事に本物の生きた動物を手に入れることができるのかどうかもぜひ確かめてほしい。




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