【スピン/spin 第8号】



日常に「読書」の栞を というより、読書に「スピン」という「栞」を になってしまっているこの生活も、気づけばもう半分が終わってしまった。



天袮涼さんな新連載 「県警の番人」は定年間近の警官に隠された(隠した?)真実に迫る物語のよう。このパターンだと、真犯人を庇っているのかも?



最果タヒさんの詩集、今回は新世紀エヴァンゲリオン
各キャラクターをモチーフにした詩は、読んでいると人物たちの映像がオーバーラップしていく。



高野水登さんの「ロンドン橋がおちまする」
子供時代の語感ってやっぱり意味に先行してリズムのノリと心地よさだよな。子供は大人よりテンポに敏感だと思う。



堂場瞬一さん 「罪と罰」
ラストは文字通り自業自得の罪と罰なのだろうけれど、これはどうなってしまうのか。第8号の中で一番終わりに救いのない印象。


その他の書き下ろしたちも面白く、どこか共感でき、思わず納得させられるものばかりだった。



紙の話

もちろん今回も紙の話。


[表紙の紙]玉しき みずたま 白 現在庫限り
水玉の陰影が可愛らしい

[目次の紙]江戸小染 うろこ 白 現在庫限り
これはぜひ触って体感してもらいたい。よく見るとそれぞれのうろこに個性を感じる。

[本文の紙]OKアドニスラフW
安定感抜群。太陽の光に晒されると繊維がよく映える。


手触りでいったら目次の神がダントツで撫でたくなるやつ。
でももっと好きなのは、背表紙の角の部分が、読んでいくうちに少しだけ毛羽立ってくること。文庫や単行本ではなかなか体験出来ないし、何よりも〈紙〉が繊維たちの集まりでできていることを肌で感じることができていい。何か紙オタクみたいな発言が出てきたところで今回はおしまい。



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