【告白撃】



完全に大人向けスパイシーな青春。しかも、同世代すぎてのめり込んだ。こんな青春の当事者になったらメンタルもたない。それだけ、大人の青春は甘酸っぱいでは済まされない大人の味。



千鶴は親友の男に自分を諦めさせるため、告白されて失恋させることを計画する。
コレだけでこの物語の突拍子の無さが窺える。
でも、その計画を遂行するにつれ、恋や友情がどれだけ難しいバランスの上に成り立っているのかを知る。



特に後半は人物たちの感情が揺さぶられまくって、読んでいるこっちもとても平静な気持ちではいられない。告白するの?しないの?したいの?させたいの?させたくないの?


個人的には、告白させられようとしている響貴がカッコ良いと思った。これは普通にモテるタイプだろうな。ただ、好きな人に素直に告白できないだけで。だって、住野よるさんの表現曰く、p77.『綺麗な子音だけ集めたみたいな囁き声に、私は頷く。』ってどんな素敵な囁き声なんだろう、と想像が膨らんだ。これ、オーディブルでセリフあてるのハードル高いだろうな、、


あとは、住野よるさんの文章で好きなところ、
文章のラストに人物の脳内での独り言のリズム感が好き。
ちょっとしたツッコミみたいなことを人物たちは思い浮かべるんだけど、それがクスッと笑えるしテンポがよい。



はっきり言って、冒頭にも書いたけどこの物語のような体験は私には経験値が足りなさすぎて無理だけど、読み物としては最高に浸れる。
人生も、夢も、恋も、友情もたくさんの可能性から自分もしくは関わる人たちと一緒に、選び取ったものの結果で出来ている。そう思う物語。どうか、二人とその友人達がこれからも最高な関係で生きますように。


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