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恩田陸著

スキマワラシ です!!

単行本が発売され、購入しようか迷っていたのですが、三省堂池袋本店さんでサイン本が入荷したとの情報を得て、サイン本即購入しました!

 

まず、この本表紙がとても可愛らしい本です☺️

綺麗な青ベースの空に、今回のメインとなる解体現場、そして中央の白いワンピースの女の子。

色使い、バランスがとても素晴らしいと感じました。

 

物語は全部で14章から構成されており、

それぞれのタイトルに

〇〇のこと、〇〇のこと、

と書いてあるのでその章のテーマが完結にわかりやすくなっていました。

 

メインの登場人物はスタートから出てくる兄弟と、途中から出てくる女の人。

その中でも弟は特殊な能力、?というか症状というか、?をもっています。これは作中では「アレ」と称されているため正式名称はわかりません😓

そして「アレ」が起こるのはある一定の条件を満たした時だけ。

弟はその「アレ」が起こるのに怯えながらもその正体を兄と一緒に解き明かしていこうとしていきます。

そして、「アレ」が起こることによって少しずつ関連してくるのが「スキマワラシ」

 

「スキマワラシ」というタイトルと座敷わらしみたいなイメージから怖いというイメージはもっていませんでしたが、

この作品を読んで、ホラーとミステリーって紙一重だと強く感じました。

「スキマワラシ」が何者なのかは最初全然わからないのですが、明らかに少しずつこの兄弟の前に姿を現し始めていきます。その現しかたが、これ「スキマワラシ」じゃなかったらホラーじゃん??って突っ込んじゃうような登場の仕方。←一冊につき一回は何かしら突っ込んじゃう癖あります。。😅

 

ただ、その一見ホラーにすら感じてしまう「スキマワラシ」の登場シーンが完全にホラーに偏らないのは恩田陸さんの良さがあるからなのかな、と思います。

ホラーのような演出があってもそれが怖いというより不思議な現象に感じてしまうような、なにか暖かさも持ち合わせた表現の仕方があるように思いました。

 

そして、「スキマワラシ」が登場するキーとなるのがタイル。

建物や銭湯など一見するとどこにでもあるようなものですが、意識していないと気にしないもの。でもそれには作った人がいてエピソードがありものでありながらそれ自体が記憶でもある。

普段あまり気に留めていないものであってもそれぞれの物語があることを気づかされました。

 

 

作られていくものがある一方で壊されていくものがある。そして、壊されていくものにはそれがこれまで有ったことで生まれた物語がちゃんとあってそれは物が壊されても人々の中にその後も残っていくのだと思うと、どんなものでも大切にして、次に繋げていかなければな、と思わされました。

 

 

物語の結末はここでは書きませんが、読んでいて座敷わらしをイメージしていたからか、懐かしさのようなものを感じながらも、新しいことへの前向きさを感じた作品でした。

恩田陸さんありがとうございます!

 

今回はこの辺で

 

最後まで読んで頂きありがとうございました🤗