【ひと】


◽︎2019年本屋大賞第2位

[あらすじ]
僕こと柏木聖輔は二十歳の秋、女手ひとつで私大に進ませてくれた母を失いたった独りになる。
その後、空腹に吸い寄せられた惣菜屋で、最後に残ったコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。


[感想]

温かい、冷たい、繋がり、孤独。


語り手の柏木が人に対しても出来事に対しても受け取り方が丁寧で謙虚。
だからこそ誰かと関わることで生まれる温度感が沁みる。
私も柏木みたいに人や出来事に対してうまく受け身を取れるような人になりたいと思った。


この小説良いなと思ったのは、物語が進むにつれ、柏木の人生の立ち振る舞いが段々と洗練されていくように感じるところ。

例えるなら、最初は幅広でぼんやりした光だったのが徐々に狭まって一筋になるように、柏木という人物がこの先どう人生を歩むのか段々とはっきり見えてくるようだった。