2010年決勝戦、興南vs東海大相模。
マウンド上は恐らく42度以上あったと言われる、あの猛烈に熱かった決勝戦。
興南側ライトスタンドから逢縁していたけど、我如古選手の本塁打をはじめとする興南の打棒に湧く観衆の中で、口笛や法螺貝やハイサイおじさんとかがごちゃまぜなお祭り然とした観衆の中で、大量リードされてもなお整然と、縦と横がきれいに真っ直ぐで乱れることなく、規律ある応援を続けている東海大相模アルプスを見ていると、キュンってなった。
※当時の東海大相模アルプススタンド
今年。
國學院久我山vs前橋育英
明石商vs花咲徳栄
三塁側アルプススタンドからそれぞれ前者を逢縁していたけど、リードした次の回から相手チームにキュンってなった。
たぶん子どもの頃からその傾向はあった。
それは高校野球だけでなく、例えば映画やアニメでも、負けヒロインにキュンってなってしまうことがある。※負けヒロインについては時間を割いて書かねばならない。
去年あたりから、少し変化があった。
いままで圧倒的に公立高校が好きで、出身中学が地元の選手が多い高校が好きだったけど、去年春夏甲子園で観戦した時、いままでの経験や知識や僕の逢縁欲などと関係なく、目の前の球児はそんなものから1番遠いところで淡々と野球をしていたのだ。当たり前のことだけど、ずっと前からそうだったに違いないんだけど、そういうことだって気づいてしまったんだ。
すると、贔屓校はあるし基本的に公立校が好きなのは変わらないけど、そんなことがまあまあどうでもよくなってきた。
明石商逢縁してたのに、悪趣味なユニフォームの花咲徳栄(失礼)にキュンってなってしまうなんて以前なら考えられない。
そうだ、今年は関連雑誌も遂に読まなかった。予備知識や事前情報無しでの観戦が、野球をシンプルに楽しめる。映画の予告編を観なくなったのと同じだな。雑誌も読まない、ネットで情報を漁ることをしなくなった。その方が映画をシンプルに楽しめると気づいてしまったんだ。
脱線した。
すると、困ったことに判官贔屓の振り子が振れやすくなってしまった。キュン死確率が上がったってことだ。これはめんどくさいぞ。判官贔屓なんかやめてしまいたい。
ほらまたこの試合もそう。
星稜vs仙台育英。子どもの頃からの憧れ度が圧倒的な星稜逢縁で始まったけど、満塁弾が出た瞬間、仙台育英に感情が振れた。(キュンってなったって言わんのかい)
ああ判官贔屓がやめられない。
やめたい、やめたくない、やめたい…