今から22年前。

初めてだし、子育てに専念したいと思い、出産を機に仕事を辞めた。



でもある程度リズムを掴めてきたら、やっぱり家にだけいる生活がしっくりこず、

息子が一歳になる前からまた仕事を始めた。



1日5、6時間から再開し、息子の成長に合わせて徐々に伸ばしていき、小学校低学年の頃からフルタイムで働いた。



朝から家事をしながら息子を送り出し、帰って急いで夕飯の準備をする。


とにかく毎日があっという間。



そして毎週末は、息子の野球の追っかけ。


仕事の日よりも早く起き、息子の分、自分達の分、コーチ陣の分のお昼ごはんや飲み物を用意し、試合の送迎と応援。


参加は任意だったけど、私たち夫婦はどこにでも一緒に着いていった。


休みの日ぐらいゆっくりしたいと思うこともあったが、普段親らしいことをしていなかったから、その埋め合わせ、じゃないけど、息子のために時間を使いたかった。


外気が心地よい季節はごく短く

猛暑や極寒に耐えることが多かった


日が昇る前から日が沈むまでの日もしばしば



自分の子でも誰の子でも、その場にいる皆で感情を分かち合った。

喜んだり、悲しんだり、悔しんだり。


何だかんだ言って、結構楽しかった。


そこで知り合った父兄とは、引退後数年たった今でも付き合いが続いている。


年をとってから友人が出来るなんて貴重だと思う。


これがなかったら、私はどんな日々を送ってたんだろ?


無趣味だしずっとだらだら過ごして、

日曜の夜になると、憂鬱な気分で

「明日からまた仕事かぁ」

なんて言ってたのかも。


そう思うと、息子の野球に関われたことで、私の生活は潤い、豊かなものになったのは間違いない。



息子がいたから出来たこと。感じられたこと。

出会えたもの。


思えば沢山あったのに、それに気付かず今まで簡単に流してしまっていた。


もっとその瞬間、その瞬間を大事にしておけば良かったな…


怒ってばかりで

息子に"ありがとう"なんて

殆ど言ってこなかった。



私の人生は、ほぼ全てが息子ありきのものだったのに。


息子がいたから私がいた。



今日は母の日。


今年は何もない。


悲しいけど、

来年も、これから先も、ずっと。



世間一般では、子どもが母親に感謝する日


でも


今年から私の母の日定義を変えようと思う


<子から母へ>

お母さん、ありがとう。



<母から子へ>

お母さん(にしてくれて)、ありがとう。



これなら、これから母の日を迎えてもいじけないかも


と、ちょっと強がりだけど



そう自分で言っておいて、来年、私、覚えてるかな?



「○○○、私を母にしてくれてありがとう。」