今日は、アテネ最終日。
明日は朝一からミコノス島へ移動予定なので、一日ゆっくり市内で過ごすつもりだけど、これといって予定も立ててないし、成り行き次第で好きなことをして、行きたい所に行って、という日にする心つもりでいた。

市内中央に位置するシンタグマ広場近くは、高級ブランドが立ち並ぶエリアがあるので、ショッピングはしないけど、気になる店を見て回り、暑さ凌ぎをしながら、時間を過ごす。

しばし休憩を兼ねて、近くのカフェで一休みしようと中に入る。

アイスカプチーノを頼み、ホテルから持ってきたヘラルドトリビューンを読み、モンテネグロ共和国の新しい湾港の記事を読んで物思いにふけったり、店内や外を眺めたり。
ふと、斜め右前の席に座る男性、多分ストレートであろう、がインテリア雑誌を読んでいるのだが、何度か目が合う。多分、日本人が1人で、こんなカフェに居るのが珍しいのだろうから、たまにふとこちらを眺めているのを、こちらが勝手に目が合う、と錯覚していた。

でも、実に体格がよく、なかなかの男前の風貌で、かつ指にリングをはめているのが見えたので、やはりストレート男は遠い存在だなあと考えつつ、ヘラルドトリビューンに目を戻す。

何度か目が合って、彼が席を立つのがなんとなしに視界に見えて、彼帰っちゃうか、と思ったとき、彼から声が掛かった。

「あの、英語はなせるよね?新聞が英語だけど、タイトルがギリシャ語なもんで…。」

え、ギリシャ語のタイトルは、気づかなかったです。はい、まあ英語は話せるけど。

「良かったら、ちょっと話しませんか?」

まぢ?これって、ナンパ?



彼の席にドリンクを持って、語学の話から始まり、やれ日本語を学ぶことの難しさや、ラテン系語学の共通性なんかについてあれこれ話があった後、突然

「Tu es tres beau」

と言われた。

フランス語をかじったことが、初めて活かされた、と確信した瞬間だ。この人、何を勘違いしたのか、JOAを褒めている。こんな瞬間が、お昼の12:35に、しかも普通のカフェで起きていいのか、戸惑った。



ミハイル(彼の名前)は、キプロス出身の父とギリシャ出身の母の元に生まれた、生粋のギリシャ人。独身44歳、建築家として仕事をする傍ら、大学に戻り、ビジネス関連の勉強に勤しんでいるという。栗色のショートヘア、ヘーゼルナッツ色の瞳、ほどよく腕や胸元に男らしさを示すヘアがあり、体格もがっちりしていて、なんでこんな男性が今シングルなのか、少々疑う。なんで?

「今は、自分のやっていることで精一杯だし、前のパートナーと別れてから、独身を謳歌してるだけだよ。」



急用が電話で入り(残念)、あ、これでお別れかな、と思って覚悟したのだが、2時にまた会える?と聞かれた。
断る理由もないし(本当にヒマな日だから)、じゃあ近くの駅で待ち合わせしましょう、と約束し、電話番号を交換して、しばしのバイバイ。



再会できる?なんて少々疑いつつ、でも、ヤバイ、正直、パンチェッタ・ジローラモとジェラルド・バトラーを合わせた風貌(普通のギリシャ人の風貌ぢゃない)を纏った男にナンパされて、ちょい夢見ごこちな自分。
再会する予定の一時間は、何も目に入ってこない。バカなオカマ。


はて、再会できるのかな。続きは次回。





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