2011/05/14

杏姫の最終調整が無事終わりました。坂路を駆け上がるとき、程よいやる気と程よいリラックス感で満足のいく状態です。僕のするべきことはここまで。あとは豊さんにエスコートしてもらって気持ちよく走るだけです。

豊さんファンの方からよくお礼のコメントを頂きますが、うちは豊さんにお願いして乗ってもらってるほうです。3500回以上も誰よりも先にゴール板を駆け抜けた人です。そしてうちのスタッフはみんな豊さんの大ファンなんです。毎週ワクワクした気持ちで調教に励み、レースに送り出しているんですよ。

そうそう、今週の杏姫の追い切りの写真、一枚だけ見つけました。

抜き去ってからも余裕綽々でした。集中力も途切れることなくゴール板を通過しましたが、見る人によっては抜け出してからがイマイチに見えた人もいるんですねぇ。何がどういけなかったのかなぁ。

ってことで、乗ってた僕の感想は「最高！」でした。

新聞の印は無印良品状態ですが前売りは現在６番人気。ファンの方から支持されてることは何より嬉しいことです。杏姫は小柄というよりも華奢なタイプです。小柄でも筋肉隆々で小さく見せないタイプもいますが、杏姫はｈント、華奢。隣の馬に吹っ飛ばされんじゃなか、ってくらいですが、いつもいつも頑張っています。

職は細いし環境の変化に戸惑っちゃうし気持ちがパニくることも多々。でもそんな杏姫がこうしてＧ１で戦っているんです。明日は大好きな東京の芝１６００ｍ。思う存分走ってきて欲しい。

そして明日はペコが久しぶりの出走になります。かなり乗り込んだので体はできているはずですが、あとは勝負勘が戻っているか、ですね。

アルベルティとファンフェアは順番どおりにいけば結果は出るはずです。

新潟組の２頭もただ今絶好調。２頭とも勝っても不思議じゃないんだけどなぁ。

訃報が入りました。

先日、バクシンオーの話しを書いたときに触れた担当厩務員さんだった吉村さんが亡くなられました。

バクシンオーの他にも小島厩舎になってからはバクシンオー産駒のムーンクラフトを担当したり、桜花賞２着のブルーリッジリバーを担当したり、春のクラシック時期まではマンハッタンカフェも担当していました。

「よーさん」のあだ名で誰からも愛された人でした。

バクが天国に行っちゃったから向こうで世話をするために逝っちゃったのかな・・・。

苦楽を共にした僚友がまた天国で再会してることと思います。

厩舎の馬が勝てば担当者以上に喜ぶ人でした。とにかくよく馬を撫でる人でみんなから「よーさんのそのごっつい手で撫でられたら馬が痛いってよ（笑）」なんて冗談を言われ、いつもニコニコしていました。

定年後も小島厩舎の馬を常に応援してくれていて・・・・。

明日の杏姫のレース、きっと後押ししてくれると思います。

先日定年した松本さんにしても、吉村さんにしても、元騎手で引退後は小島厩舎で助手として僕にたくさんのことを教えてくれた蛯沢さんにしても僕は「頭が上がらない人」がたくさんいます。自分よりもキャリアも経験もない僕に時には叱り、時には「お前は凄い」と誉めてくれたり。僕は頭が上がらない人がいる、ということは幸せなことだと思います。この歳になると職場の先輩の方がどんどんいなくなっていきます。先人を敬い、基本とルーツにはちゃんとした理由がある、という言葉をこれからも大切にしていきたい、と思います。

僕は今夜出発し、新潟に向かいますが、明日は新潟も東京も小島厩舎の馬たちが精一杯走ります。

皆さん、ずっと応援していてくださいね。