解説 | 小島良太オフィシャルブログ「馬なりぃ」Powered by Ameba

解説

おはようございます


ダートの深さと、タテガミについて質問がありましたので少し解説します

ダートは基本8センチらしいですが、雨や風、馬場整備などで前後します。実際のところ、現場では「今日は何センチかぁ」といった会話は聞いたことがありません。感覚的に浅い深いや含水率は気にしますけど重要なのは数字より感覚的なものです。



タテガミは通常、厩務員の好みで短く揃えたり編んだりします。小島厩舎では牧場から来たらまず最初に散髪。外見にはかなり気を配ります。たまにタテガミが伸びきってる馬を見かけますよね。あれは担当者が最悪の場合。面倒だからやらない、それだけの理由です。あれは手綱が絡むし、見映えも悪いし何ひとついいことはありません。そういう人は大抵はパドックで曳き手(馬を引く綱)を首に掛けて馬を曳いてますよ。ぐうたらのセットみたいなものです。

小島厩舎では競馬の際、馬具のコーディネートには特に気を配るし、厩務員が手入れをした後、パドックに向かう直前に調教師自ら再度手入れをする念の入れようです。


競走馬は馬主さんに高いお金を払ってもらって買ってもらい、また、競走馬にしても晴れ舞台です。おめかししてあげたいと思うのが当然なんですけどね。キレイにしたからって速くなるのか?的考えの人がまだまだたくさんいるのは悲しい現状です。

特にタテガミは馬の象徴です。馬の葬儀だってタテガミを祀るくらい魂と同等です。


ホント、残念な人が多すぎるなぁ…。


☆補足☆

ぼんぼりが付いて毛糸が首全体に編み込まれているものは「わたり編み」といって、日本古来の手法です。

これが昔は最もポピュラーでしたが最近は三つ編みが主流です。

これには訳があって、わたり編みの場合、タテガミ全体を一緒に編み込むため、トップスピードで走る競走馬の首の収縮運動の妨げになる、という考えからです。

お祭りに出てくる神馬や確か暴れん坊将軍なんかも「わたり編み」だったと思います。

三つ編みにするか切り揃えるかは髪質によって変わりますし、通常、美しい馬の姿の手本は右側一方向に流れているタテガミです。それを矯正させるのが面倒な人はモヒカンにしちゃったり…。