「今日は一緒にいてー」
午前6時頃。
あー、こりゃ陣痛や。と遅ればせながら確信した私。
旦那の腕を掴んで泣き言を言う。
最初から誰もいないならまだしも、この状態で途中から一人になるなんて絶対無理
無理無理無理っ
旦那の会社にお休みの連絡を入れてもらい、背中や腰を摩ってもらいながらウトウト…
だって3時から殆ど眠れなかったんだもの
「カー」っとイビキをかいたと思ったら「いてー!!」と跳び起きる。その繰り返しの私。
旦那が時間を計っていると、限りなく5分置きに近くなってきていたようで
そろそろ病院に…
ま、でも初産は時間かかるっていうし🌀
その日、実家の父から午前中指定で荷物が届く予定だったので、荷物がきてから病院に向かう事に。
まだまだヤヤも下りてないって話だし、それで充分だろう。
荷物を受け取り、病院に連絡を入れて到着したのは10時過ぎだった
病院に到着してすぐ診察。
「子宮6センチ開いてます」
え!?
まだまだじゃなかったの?
びっくりしながら陣痛室へ移動。
熱を計ったら、心配していた微熱はガッツリ平熱になっていた
と、いつの間にか3分間隔になっていたらしい陣痛。
痛い…なんて一言じゃ表せません
陣痛には波があって、痛みが治まってる時間があるっていうけど、3分おきに強烈な痛みが襲ってくるから…ぶっ通しで痛いし
叫ばずに息を長く吐いて!とか無茶やし!
息と一緒に
「うきゃー!ああぁ゛ー!ひゃー!」と
自分の声じゃないような声が口から出てくる
クーラーのきいた陣痛室で変な汗にまみれる私の手をしっかり握り、ウチワで扇ぐ旦那。
痛みに堪え、苦しい中ふと思い出した。
昔から、絶対に実現してみせる!と思っていたこと。
目標。なんて、大袈裟なものじゃなくて、本当にしょうもない事だけど。
一ヶ月前に出産した友達は
「絶対したかったのに…無理やった…あんなん無理…」
と言ってたので、
「わかった!うちらの目標、私が実現するから!」
と約束した事を。
「…ダンくん…ダンくん見てて…」
叫び声しかでなかった私が喋りかけて、心配そうに見つめる旦那。
「リョウちゃん、どうした?」
ゆっくり腹を摩りながら息を吐き
「み…みついすみ゙ども゙…ビザガー$×∞ド…」
エーΣ( ̄口 ̄;)←旦那
そう。
中山エミリさんが腹を摩りながら「みついすみともビザカード」ッていう、あの懐かしのCM。
あれを見る度に
「陣痛の時にあれをするぞー!」と決心していた、まだまだ未成年の頃の私。
偶然にも、高校の同級生が同じ志しを持っていた事が今回のお互いの妊娠でわかったのだ。
「リョウちゃん…」
脱力感丸出しの旦那。
なによー!
陣痛真っ只中で言う「三井住友VISAカード」をナメんな!
まぁ、あの時は死ぬ思いで言ったけど、今文章にすると思ったよりも遥かにくだらない事でした