先日日本のテレビ番組をみていたら、どこかの経済評論家が現在の日本の状況はデフレが長くなったことが要因だ、と言われていたことに妙に納得感があった。デフレ経済なので、消費者は待っていればモノの値段は下がってくるのではないか、と思い消費をセーブする。実際日本で売っているものはものすごく安くなった。またインフレ経済とは違って、現金でお金を持っていてもその価値が減らないし、先行きがみんな不安なのでさらに消費をセーブ。その結果GDPの半分以上を占める国内需要が停滞し、経済が成長しない。当然ながら企業の売上・利益が伸びないのでそこで働く労働者の賃金も上がるわけもない。それを20-30年続けた結果が良く最近見かける過去30年間の海外と日本との賃金差、となる。

 今年の5月の連休で海外旅行に出かけた人もコロナ前よりも相当少なかったようだ。さらに円安で海外の物価が恐ろしく高いこともみんな分かっているから敬遠したわけだし、それでも海外に行った人たちも改めて海外の値段の高さに驚いたと思うし、日本って先進国なんだっけ?とちょっと思ったのではないか。

 問題はこれから。この状況をどうするのか?この対応は残念ながら個人で対応するしかないと思う。私は海外で仕事・生活をするブログを書いているが、日本の人全員に海外に来ることを勧めているわけではないし、みんなそれぞれいろいろな制約があるからそんなに簡単に来れるわけでもない。さらには海外の政府も自国民がいるわけでそう簡単に海外から移民を受け入れる理由もない。結局は自分ならびに自分を含めた家族の幸せとはなにか、あるいは何に価値を置いて残りの人生を生きるか、みたいなことを考え・決断して実行する、という結構大変な作業でもある。