海外で仕事・生活することを悩んでいるが、どうしたらよいか?という問いを受けることが多いが、この問いに対する回答は人それぞれなので、残念ながら誰にも適用できるような1つの答えはない。まず考えないといけないのが、その人の年齢あるいは家族あるなしなのか、ということだ。もちろん若くて、まだ独身であれば身軽で、ある意味自分のことだけ考えていればよいので、挑戦はしやすいが、パートナーがいるとなれば、そのパートナーも仕事をしている場合が多いと思うので、その折り合いもつけないといけないし、さらに子供がいる場合は、子供たちの学校のことや異なる環境での生活への対応など色々なことを考えないといけない。

 これだけ見ると、海外に挑戦するのは若いうちが良い、となる。それはその通りなのだが、若いだけだと、勝負できるものがない。なにか武器がないと海外で仕事を得ることはできない。海外で働く、ということは基本的にはその国の人たちにはない技術を持っている、相対的に優れた能力がある、ということだ。そうでなければ、わざわざ外国人を雇うメリットはない。それは野球やプロスポーツの選手が海外でプレーをすることとあまり変わらない。

 厳しいことを書くようだが、もし海外で仕事・生活をしたい、ということであれば、自分のユニークな武器を早くから意識してそれを磨くことを心掛けてほしい。日本の良い大学に入る、みたいな小さなことを考えていても意味がない。