民主党の代表戦の中で、菅さんは、1に雇用、2に雇用、3に雇用と言って、雇用の創出に全力を挙げる、と言っている。もちろん、経済を良くし、明るい未来を作るには、たくさん仕事があって、企業も右肩上がり、というのがよい姿だろう。
 しかし、日本での高い経済成長が望めず、雇用を創出する企業は世界の市場へ出て行っている。実際日本の製造業の多くはすでに売り上げ・利益の多くを海外市場に依存している。しかし、その海外市場、とくに今一番成長を遂げている新興国市場は、世界の企業ならびにその国の企業による激しいグローバル競争が繰り広げられている。
 今後日本の企業も雇用が創出していくが、それは海外市場であって国内の市場は、ごくわずか。しかも、国内での市場はいわゆる本社機能のため、語学力はもちろん、それなりの専門性を持ち、さらには異文化を理解しながら仕事をやっていける人というかなり高度の能力・ポテンシャルを持っている人しか仕事を得ることができなくなるであろう。
 その一方で、日本の市場も逆に世界からより安く、品質・サービスのよいものが流入するようになり、国内は激しい価格競争、つまりデフレは続き、賃金は上がらないであろう。
 このような現実をいかに適切に理解し、今後の日本の雇用政策、ならびに経済政策を作っていけるのだろうか?誰が首相になろうとも、どの政党が与党になろうとも、正直期待はできない。。。