学生時代からよく友人たちから、お前はやりたいことがわかっていいなー、なんて言われることが多く、相談にのることもよくあった。自分自身としては、なんとなく方向性はわかっていたけど、完全に何がやりたい、ということはいつもわかっていなくて、それを常に捜し求めている、という風に考えている。実際、今でも何をしたいのかよくわからないまま生きている。
 さらによく、やりたいこと、興味があることがわからない、という相談を受ける。そういう人たちにはぜひ声を大にして言いたい。とにかく、今自分がおかれている状態を全力でやってみればいいんじゃないか、と思う。たとえば、僕はファーストフードで朝食を作るアルバイトをしたことがあるが、どうしたらお客さんに喜んでもらえるか、を考えて一生懸命来る日も来る日も卵を割り続けた。大学時代、なんとなく気になっていた分野の本を飽きるまで読んで、飽きたら次の分野の本を読み込んだ。
 とくに若い人たちは、時間もエネルギーもあるんだから、全力で悩みや迷いに立ち向かってほしい。悩みや迷いがあり、それを克服したときに、新たな道が見えるんだと思う。何もしないで、わからない、と嘆いている人が多いような気がするのは、私だろうか。