アメリカ大リーグの桑田投手に戦力外通告が出された、とのニュースを読んだ。同世代の小生は、頑張ってほしいところだが、実力勝負の世界では、残酷ながら勝つか負けるかしかなく、そこでやっていけなければ自分で自分の将来を決めなければならない。また一方、シカゴのホワイトソックスにいた井口選手も突然フィリーズへの移籍が決まり、翌日から試合に出て活躍をしている。
 ここアメリカでは、大リーグに見られるように、どのチームで仕事をするということよりも、あたえらられた仕事で成果をいかに出すか、ということが重要である。われわれの住んでいる世界の話をすれば、会社の名前、大きさはほとんど問題ではない、ということである。逆に言えば、やっている仕事にはこだわっているが、会社という箱には余り重要ではないのである。また、桑田投手同様、われわれも会社から戦力外通告を出されたときに自分の進む道を決めなければならない。それもその時になって始めて考えていては、進むべき道など分かるはずもなく、日ごろから周到な用意をしていなければならない。
 矛盾しているかもしれないが、日々の仕事に尽力するとともに、同時に今後の自分の生きるべく道を模索する、というバランス感覚を持つ事が要求されるのがまさにアメリカ的処世術なのかもしれない。