日本のプロゴルフツアーで15歳の石川遼さんが優勝した。当然、日本の最年少優勝記録を今までの中島選手の22歳を大きく塗り替えるものすごい記録だ。また、その一方、昨日NHKのつながるヒューマンという番組内で2016年オリンピックに向け日本が国を挙げて金の卵を発掘するプロジェクトが取り上げられた。日本においてあまり議論の表舞台に立つことなく、スポーツエリートが育成されている、ということに非常に興味を持った。なぜなら、教育の舞台では、小生よりも5-10年下の世代は「ゆとり教育」時代で、競争という世界から隔離された世代である。現在教育再編が議論される中でスポーツの世界では、一歩先に日本が、いや人口成長が見込まれない先進国がとるべき姿がここに見てとれるからだ。そのスポーツのゴールドプランにおいては、基礎能力によるセレクション後、さまざまな競技を子供たちに体験させ、その中から科学的に適性を見出していく。また、子供たちには早い時点で、世界を意識させる。つまり世界最高峰のレベルを感じさせる、というのだ。もちろん、その前提には子供たちにスポーツの楽しさを感じさせる、ということを忘れないでほしいのだが。
 今後、子供の数が少なく、高齢化が進む日本において、日本の学校教育、あるいは企業においてもそれに似た事を進めていかなければ世界の競争に打ち勝っていけないであろう、と小生は考えている。もちろん、重要なのことの一つは、適性というのは無数にあること、さらにはチャンスはいくつもあり、いつからでもはじめられるような仕組みづくりをしっかりする事がその基本にあると思うが。
 エリートというと語感からくるイメージが悪いが、その人それぞれに見合ったことを見出す手助けを行い、それに対して限られた資源を最適かつ最大限供給する事で、最大の効果を得る。それが個人の幸せ、そしてひいては企業、国家のベネフィットに結びつくのであればよいことではないだろうか?