ミシガンの地元新聞に掲載されていたコラムを紹介する。Rick Haglundという人が書いたコラムであるが、そこにGM(ジェネラル・モーター)が、昨年ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アジア、オセアニアでの売り上げが12億ドルに達したのに対し、北米では3億ドルの損失であった、と言っている。そして、彼は強い労働組合、そして大きな負担の健康保険などの要因から、GMの本社がいつまでもデトロイトにあるとは限らず、海外へ流出する可能性もある、と警告している。
 日本の自動車産業は、ビッグ3のようなことは今すぐにはないが、日本の電気あるいは半導体産業などはそのような動きは出てくるのではなかろうか?
 現実問題として、企業はこれだけ国際化が進み、ほとんどの製造業において日本国内の売り上げよりも海外の売り上げの方が多い現状では、日本に本社が残るか否かはあくまでも経済合理性があるか否かにかかっている。つまり、企業にとってコスト・ベネフィットがなければそれがある場所へと移動するのが合理的である、という論理である。これがまさにグローバル化なのではなかろうか?
 これに対して、国、個人の異なる2つの次元から対策をとる必要がある。国の対策は話が大きくなるのでふれないとして、個人としては、とにかく同じ会社の中の他の国あるいは他の工場との競争、さらには競合会社の国内外の競合工場との競争にさらされ、その競争に勝たなければ、明日はない、ということだ。企業も、同じ品質のものを、国外で作れるのであれば、生産ラインを間違えなく海外へと出すであろう。その事で、国内の仕事がなくなることを意味するのである。これが製造業のおかれている現実なのではなかろうか。そのため、毎日己のベストを尽くし、さらには工場全体としてよりよい品質のものを作る、ということしかないのではなかろうか。