今回は時効の具体的な民法の問題を書いてみたいと思います。
今回の事例は、Aの家をBが20年以上占有していて、Bが死んだあと、相続人のCとDが
その占有権を取得し、Cが1年以上その部屋を占有していました。
その後、AはCに対して退去請求をし、CはAに対して所有権移転登記請求をしてきたという例です。
さて、どうなるのでしょうか?
・Cが取得時効を主張して、所有権移転登記請求ができるのかです。
取得時効を主張するには
まず、
(1)Bが取得時効を主張できるのかです。
①時効期間満了により当然にしてBは時効取得できるのか?
答えはNOです。
なぜなら、145条が当事者の援用を要件としているからです。援用しないと裁判では時効を認めない
と書いているからです。
よって、Bは援用しないと時効取得はできません。
②145条の当事者とは誰なのか?
これは、利害関係者が含まれると解されています。結構広い範囲ですよ。
(当事者の範囲なんて、当事者は当事者よと言いたいです。ここが民法の面倒くさいところであり
面白いところでもあります。)
時効制度は、
・継続する事実状態の尊重(占有者)
・個人の意思を顧慮する(所有者)であり
援用はこの2つの調和のために認められたものと解します。
したがって、時効の関係者は広域的に援用する権利、放棄の権利を認めるのが妥当といえます。
よって、Bは当事者となりBの援用権をCとDは相続するものと言えます。
③共同相続人の1人が取得時効を援用できる範囲は?
答えは、自己の相続分においてのみ認められます。
これは249条の、自己の持分に応じた使用をすることができるという条文から
推測すると、自己の相続分においてのみとなるわけです。
したがって、Cは自己の持分の範囲内で援用して時効取得できるということになります。
本題です。
・AはCに対して、明渡請求ができるのかという問題です。
答えは、できません!
なぜなら、現在、Cが時効取得したことによって、AとCは当該物件を共有している状態です。
確かに、共有者は他の共有者との協議なく、単独で共有物を使用することはできません。
しかし、249条では、自己も持分において使用する権利が認められています。
したがって、Cも自己の持分に応じた使用をすることができます。
よって、AはCに対して明渡請求をすることはできません。
次に
・CはAに対して、所有権移転登記請求ができるかです。
答えは、できません。
なぜなら、上記の理由と一緒です。
今回の事例は、
【時効】と【共有】を絡ませた問題でした。
時効の論点の手始めの
145条の【援用】と【当事者の範囲】の問題でした。
おしまい。
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ちなみに、私は去年の一次試験は
行政法規:77.5点
鑑定理論:67.5点
合計:145点でした。
高得点のポイント【本質から理解すること】