少年Hを読む 2 | 大河と龍

少年Hを読む 2

少年Hが生きた時代と東條英機が日本を戦争へ導いた時代とはちょうど重なる。東條英機が対米戦争を決断した首相だから当然であるが。

 

 

東條英機を一言でいうと太平の世であれば陸軍官僚として中堅を努めたであろう。だが、時局が切迫した時代に一国の首相としては器が小さすぎた。官僚としてはどうかわからないが、軍人としてもとてもではないが、戦争に勝てる勝負師ではなかった。むしろ、完了としての悪いものが一揆に発動する。当時の日本にとって最悪の首相だったかもしれない。

 

敗戦の責任を一人東條英機に負わせるのは無茶だとする考えもある。新聞も戦争をあおったし、陸海軍が時代の波に乗ってきた。もちろん米英との戦争を始めたのは東條英機であるが、彼には一国をしょってたつキャパシティはなかった。

 

 

終戦後、自決した軍人は多いが(しなかった軍人も多いが)元首相としてやはり自決するべきだと思った国民も多かった。しかし東條はそのような決意は持ち合わせていなかった。