駅前の空中遊歩道みたな場所のベンチに腰を下ろし、完全にうなだれた。
「ちきしょう!これが日本って国か? これが同じ人間としての行いか?」
「俺は同じ人間が苦しんでいるのに、世の中が俺を人として生きていく事を阻んでんじゃないか!」
「困っている人を助けるという機関全てが、他人事のように切り捨てているじゃないか!」
「好きでこんな病気になった訳じゃねぇ!俺だって突然なったんだ、誰だって俺みたいになる事があり得るんだ。。。」
「完璧な差別じゃないか! 何が人権の尊重だ!」
「誰か俺の前にきて、その意味を俺が納得するように教えてくれ!」
「おかしい事は、おかしいんだ!」
「誰かがやらなければならないんなら、俺が証明してやる!」
「俺は、今の状況からはどんなに泣こうが苦しかろうが逃れられる訳じゃない。全てを受け止めて闘うしかないんだ!」
自分の病気とそれに対する社会への怒りが、根拠のない思い込みになり、それが自分を支えていく自信と変わっていった。
今までも納得のいかないものに対してはとことん食い下がる性格だったのが幸いした。
しかし本心では今回ばかりは、そう思わないと本当に自分が押しつぶされてしまいそうで恐かった。
もう僕は一体、誰と何と闘えばいいのか。相手が多すぎてわからなくなってしまった。
「もう一度、最初から出直すだけだ! 一つ一つ優先順序をつけて、コツコツと前に進むしかない。」
はらわたが煮えくり返るほど悔しかった。
でもその時にそれと同時に自分みたいに困っている人は他にも大勢いるはずだ!と思った。
「上等じゃねーか!」
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