父は退院後1日休んだだけで、仕事に復帰した。
以前と変わらない頑固親父に戻った。
父の事も、仕事の事も何とか上手くいった。
次は僕自身のことだ!
相変わらず、体全身の痛みは治まらない。
日常生活にも少しずつ支障をきたすようになってきた。
まず一番は食事の問題。
これが一番大きい。
これでも、長い事独り暮らしをしてきたから、決して上手くはないけど料理は作る事ができた。
だけど今の握力と足の力では、椅子に座りながらでも料理をつくる事ができなくなってきた。
毎日外食と言うわけにも行かないし、そこまで行って帰ってくるのがこれまた大変な事だった。
だから、主食はほとんどがコンビニの弁当かレトルト食品に限られてしまう。
たまに、近所の友達が来て何か簡単な物でも作ってくれると本当に美味しく感じる。
本当に友達のありがたさが身にしみた。
僕には近所に外人の友達が多かった。
彼らも一人で来て不安な所に多少なりとも英語を話せる僕が一緒にいて交渉したりして、お互いに仲良くなっていったのだ。
その中でもTIMは特に仲がいい。
彼はほとんど日本語を話さない。酔っ払った時だけ多少の日本語を話す程度だ!
彼いわく、「ちゃんとした日本語が話せるようになるまでは、使いたくない。」というのだ。
頭はいいが、めちゃくちゃ細かい。そして、もの凄く情が深い。いい奴だ。
入院する前、彼が付き合っていた日本人の彼女との婚約が決まった。
その時は自分ようにはしゃいだ!
勿論、仲が良かったのもあるが、彼女と付き合うときから相談を受けていたし、
彼が彼女と結婚したいと言い出してから1年がかりで二人でいろんな作戦をねっていたからだった!
だから、彼には病気の事も本当の事を話していた。
そして、退院してからは彼女と良く遊びにきて、
彼女が料理を作ってくれたり一緒にサッカー観戦をしたりした。
別に人種を差別をする訳ではないが、彼のヘルプはさりげない。
助けられていると思わせないくらい、何気なく当たり前のように助けてくれる。
そして普段は、今までと変わりなく普通に接してくれる。
変な言い方だが、過剰な心配を僕にさせないし、
病気になって体が不自由になったからといって色眼鏡で見ることもない。
後で気が付くのだが、
選挙中だけ「福祉介護」と呪文のように
騒いでいる人達がいるが根本的に何も変わっていない。
それに日本という国は、どうしても自分達さえ良ければ。。。と思っている人が多いような気がしてならないのだ。
未だにそうだが、僕はシルバーシートに座らない。
そして、一度も杖を付いて足を引きずっている僕が電車に乗っても
一度も声をかけられた事がない。
僕と目があったとしても、寝たふりをする人さえいる。
座りたいわけじゃない。
立っていられないのに。。。
そうやって、僕らの行動範囲はどんどん狭められていく!
僕がこうなったように、誰もがいつか突然、僕みたいな病気になるかもしれないのに。。。
「自分を強く見せたり 自分を巧く見せたり
どうして僕らはこんなに息苦しい生き方選ぶの?」
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