その出来事は朝、携帯のメールを見て驚いたたきに始まった。
その時僕はもう一つ友人とコンピューター関係の会社を作っていたのだが、今迄僕達が交渉し続けていた大きなプロジェクトが決まりそうだ。という内容のメールが入っていた。
技術は友人が専門で、僕は交渉事と財務を主に担当していた。
友人が、資料を僕のアドレスに送ってくれていたのだが、ここにはコンピューターがない!勿論、友人には入院してある事を知らせてはあったものの、最初僕が入院の前にもらったリーフレットにはインターネットが使えると書いてあったので、あえて自分のは持ってこなかったのだ。
大変な事が起きた
ビジネスはチャンスとタイミングを逃したら次はない。
ましてや僕は、人との信頼関係を重視する方だ
僕もまさかこんなに長い期間入院する事になろうとは思っていなかった。
甘かった
僕は、ナースを呼びコンピューターを使える所はないか聞いた。
考えてくれて新館の最上階なら使えるところがあることがわかった。
しかし、僕自身の力では、とうていそこまではたどり着けない。
僕はそこまで連れて行ってもらえないか頼んだが、私用で看護士を使う事はできない事になっていると言われた。
それでもその看護士の方は、僕の話を聞いて、
「どうにかやってみます」と言ってくれた。
ホッとした
今日中に資料をみて電話でもやり取りが出来れば何とかなる。
彼女のお陰で、何とか資料を手に入れてその場で連絡をし、無事に事は成しうる事ができた。
しかし、僕が彼女に頼んだ事、そしてその事で彼女の立場が悪くなると言う事を僕は知らなかった。
帰ってきたらまた、婦長と担当医が僕と彼女を待ち構えていた。
(何かやらかしたか。。。)
その物々しい雰囲気で次にどんな展開が待ち構えているかが一瞬でわかった。
まず、看護士が婦長に呼ばれた。
そしてベッドに戻った僕に久々に顔を見た担当医が話しかけた。
まずは、私用で看護士を使った事、そして、仕事にきてるのじゃないのだから治療に専念してもらわないと困る。
というないようの事をくだくだと言われた。
そこまでは、冷静に聞いていられた。
だが、小さな声でまた
「M院長の患者だからと…」
という声が聞こえた瞬間、
今まで我慢していた事が一気に爆発した。
「あなた達は何かに連れて承諾書をとっている。」
「それは何か起きた時の為に自分達の責任ではなく、患者本人の意思で決めたという事にする為のいたって病院サイドの保守的な事に過ぎない。」
「僕だって黙ってサインを書いてるがその侮辱的な行為に対して今迄何一つ言わなかったはずだ!」
「なら、貴方達は僕達の営業利益を損なわないという書類にサインする事ができるか?」
「僕だって早く良くなって退院したい。」
「だから何も言わずにいろんな検査を受けている。」
「その中で全てではないが、ここにいる医師の無礼極りない態度に腹をたてたことも飲み込んできた。」
「いくら患者だからといっても、僕は病院や医師に都合のいいばかりのロボットにはなれないんだ」
だいたいいくら医師に聞いても、僕が今どんな状態でどうなっているか教えてもくれない。
それに、いつまでも良くなるまでいい子にして黙って待ちましょうなんて、のんびり構えている余裕もないんだ。
「貴方も仕事をしなくちゃならないのはよくわかります。」
「でも、僕だってまかされた仕事はきちんとしなければならない事があるんです。」
「それに、僕はM院長の患者という名前じゃない」
彼らの言うルールもわかるのだが、ただただ病院が『患者』の心情を理解しようとしているのかという、不信感がつのるばかりだった。
「・・・
夢中で転がりやっとつかんだものに
心を引き裂かれちまった
心をなじられちまった
悔しくて 悲しくて こらえた夜
大嫌いだぜ 大嫌いだぜろくなもんじゃねえー!!」
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