もう、完全に病人になった気分だった。


今迄何度も、困難や危険な目にはあってきた。

でもその度にどこからともない、

「なんとかなるだろう」という意味のない自信があった。

だけど今度ばかりは、


「やばいな !?


という気持ちが頭をよぎっていった。


あれから、仲の良かった友人が何人か見舞いに来てくれた。

正直、うれしかった。

が、反面こんな情けない姿を見せることに抵抗があったのは確かだし、見舞いに来てくれた人が帰った後の寂しさが余計に僕を孤独にさせた。


相変わらず、検査に暮れる毎日だった。

何度MRIを撮っただろう。

投影剤を打つ為にまた承諾書を書かされた。


動きが鈍くなった手でサインをしにきたんじゃないむっ


ここまで保守的にされると、

よっぽど自分達のやる事に自信がないのかはてなマーク

と思いたくなる。


髄液検査も何度もやった。

1度、研修医がミスった。


「あっ!」と言う言葉と共に激痛が走った。


神経に針が触れたのだ!!

昔、医者の言う「あっ」は恐いよなって、友達と話していたのを思い出したが、まさか自分がその目に合うとは予想だにしなかった。


もう一人の担当医がごまかすように「大丈夫ですよ」と言うが、明らかに顔つきが強張っている。





(いい加減にしろよむかっビックリマーク

    何が大丈夫なんだよプンプン!!


怒鳴りたいが、痛みで声もでない。


そして検査はやるだけやるが、その結果をまるで教えない。


聞いても「大丈夫ですよ」という言葉しか返ってこない。


「大丈夫なら、もう退院してもいいですか?」


何度も言ったが、


「まだ検査が残っているので、それ以上は僕からは言えません」


と研修医が言葉をしりぞけるだけ。


回答になってない。


余計に不安な日々を過ごすようになるだけだった。


この頃から少しずつ、今迄起こった事をメモにするようになった。


(何かが、おかしい?)


そういう思いが、僕の動きの鈍くなった手にペンをとらせた。



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「あぁ 神様オレは これでいいですか

本当に何も わからないままで

オトナになって やることやって

ケガの数だけ 小さくなって。。。」


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