何故?
どうして?
勝手に別れを告げた男にそこまでしてくれるの?
(わからない? 信じられない? なぜ?)
僕の中に女神が降りてきてくれた気分になった。
痛みは、変わらなかったが、心の苦しさからは解放された。
「ごめんね、こんな事しかしてあげられなくて。龍馬はもっと辛い思いをしてきたんでしょ。」
僕は、言葉がでなかった。
こんな事された事もなかったし、すべて僕のせいなのに。。。
なぜ彼女が謝るの?
帰り際、彼女は言った。
「独りで帰れる? 私、お見舞いには行かないからね。お父さんの看病していたから病人の気持ちわかるから。」
「無理しないでね。少しばかり休憩してきてね。今迄独りで、頑張り過ぎたんだから。。。」
「ありがとう。。。」
その言葉しか僕の口からは出てこなかった。
そして、ゆみえはいつもと同じように曲がり角をまがるまで、ずっとずっと僕を見送ってくれた。
情けなかった!
悔しかった!
初めてこの身を憎んだ!
それでも僕は、唇を噛み締めて、右手で左腕を押さえて左足を引きずりながら家路に向った。
「これでいいんだ、これでいいんだ。。。」
何度も心の中の自分に言い聞かせる事しかできないまま。
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