初めて、自分の病気の事を人に話した。
一番大切な人に。別れ話とともに。。。
「何となく、体の調子がおかしいんじゃないかという事は気付いていた。」
「旅行に行ったときも、お箸を持つ手が震えていたし。それからも。。。」
(やっぱり、隠し通せなかったか。。。)
人の事に気を使うゆみえにとっては、無理だと思っていたけど実際に言われると辛いものがあった。
「龍馬。病気の事、誰にも言ってないでしょ!」
「また自分独りでなんとかしようとしてたでしょ!」
「いつもそうなんだから!でも、どうにもならなくなったから、私にそういう事言うんでしょ。」
「いいよ。別れても。」
「でも、それは龍馬のケジメであって私のケジメではないよ。ちょっと来て!」
ゆみえは、席から立ち上がると強引にも優しく僕の手を掴んで店を出て、自宅に連れていった。
「今だけは、私を信じて。。。」
その言葉と共に彼女は動かない僕の左半身をさすり始めた。
「せめて、病名だけはわかりますように。。。」
何度も彼女は口ずさみながら、1時間半も動かなくなった僕の体をさすってくれた。
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『 I love you 今だけは悲しい歌聞きたくないよ
I love you。。。』