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2003年3月
「頭のCTをとりましょう!」
それが、事の発端だった。
2年前、実家の家業を継ごうと会社を辞めて半年たったある日の事だった。
毎日のように筋トレをやっていた僕の左二の腕の痛みがとれない。
マーサージにもいったし、筋でも違えたのかと思い近くの病院の整形外科を訪ねた。
いくつかの問診と検査の後にそう言われた。
(なんで、腕が痛いのに、頭のCTをとるの?)これが、最初の疑問だった。
「僕は、整形が専門なんで頭のCTを詳しく見る事ができないから、木曜日に来て下さい。」
「あのー先生。僕は腕が痛いんですけど?」
「左半身不全麻痺の疑いがありますので。でも、こういうのは知らないうちに治っちゃうものですから、安心してください。」
『左半身不全麻痺の疑い』それが、初めて僕についた病名だ。
木曜日、病院に行って見ると、「どこか、行きつけの大きな病院をご存知ですか?知らなければ、こちらで紹介状を書きますけど。」
「きちんと検査された方がよろしいですね。」
「・・・・」
(何が起こったんだ? ただ腕が痛いだけじゃないか? 今までにもこんな感じの痛みはあったぞ! そんなに大きな事なのか?)
しばらく、考えていたように思う。
そして、「あの。知り合いに聞いてみてからでも紹介状を書いてもらえますか?」快く承諾してもらい、病院を後にした。
(俺の体に何が起こったんだ?)
ただそれだけを考えながら、仕事に戻り普段通りに家に帰って寝転がっりながら考えてみた。
1度5年間同棲をしていたが、今は一人の部屋だ。
今は、一人の方がいい。。。
誰にも、話せなかった。。。
と言うよりも訳がわからなかった。
しばらく寝転がって、あいつにTELした。
あいつは日本医師会に顔が利く。どうせ行くんなら、ちゃんとした所の方がいい。
あいつなら、きっと何とかしてくれるだろう。