吉田拓郎恐るべし、である。
ラジオしか聴けなくなったミニコンポ、重たいだけのスティッククリーナー、二十年近く弾いていなかった電子ピアノを、ハードオフに引き取ってもらった。
当初は捨てるために環境センターへ持ち込もうと思っていたが、動けば引き取るとハードオフのホームページにあったので依頼した。
総計で560円。
捨てようと思っていた物に、高低は別にしても価値を付けてくれたことに感謝だ。
ミニコンポは、カセットテープ、CD、MD、そしてラジオ機能があった。
家の中のタンスや引き出しには、まだカセットテープやMDの一個や二枚などが、あるはず。
電子ピアノは、娘が小学校低学年の時に、近くの知人のピアノ教室へ通い始めてから買ったもの。
掃除機は、我が家初めてのスティックタイプのものだった。
無用になったから手放したわけだが、使わなくなっても部屋の隅にあって、それがなくなってみると、その物自体の喪失感というよりも、それらにまつわる〝想い〟の大きさが、じわじわと湧いてくる。
午後、少しだけ青空が見えた今日の短い散歩、3.9km。
プランターや鉢に植えたあれこれは、順調に育っている。
人間は必ず裸で生まれてくる。
その裸の自分に、衣服が着せられ言葉が与えられ、必要不必要、綺麗汚い、正しい正しくない…などの情報が無制限に押し寄せてくる。
取捨選択も、もしかしたらどれが正解なのかを判断する前に、決めなければならないことになる。
裸の王様は、もしかしたら〝生まれたままの自分〟に戻っただけの姿なのかもしれない。
木を隠すなら森に、人を隠すなら人混みの中に…ミステリーの基本は、そのまま自分の生き方に当てはまるのかも。
雲に隠された青空、明日は見えるかなあ。