修行は休み。

朝から地区内にある銀行のATMに行列が出来ていたので、何事だろうと考えてみたら、今日は年金の支給日だったと、自分が年金を頂く立場になってみて、ようやく合点がいった街なかの光景だった。
なるほど、である。
 
僕は二十代半ばから自由業、つまりフリーランスのグラフィックデザイナーとして個人で仕事をしてきたから、年金のことなんぞまったく頭になくて、それでも結婚してから十年ほどは亡き妻が年金を支払っていてくれたから、つい先年の年金法の改正で十年ちょっとしか年金を支払っていないにも拘らず、微々たる金額ではあるが年金を受け取れるようになった。
その年金の受け取り制度が変わったことを教えてくれたのは、四十年以上ぶりに再会した高校の同級生で、持つべきものはやはり級友(旧友)であると実感した次第。
 
 
若い頃はそうやって勝手気儘に生きてきたので、何処で野垂れ死んでもおかしくはない自分だからと思って過ごしてきたが、運命の流れというか悪戯(いたずら)というか、青少年の健全育成などという活動に関わるなんて…。
 
というわけで、昨日行なわれたその青少年健全育成活動の一つである『小玉すいかづくり&販売』事業の最初のステップ、小玉すいかの種植えには参加出来なかったが、その様子を地元公民館職員のS君が撮っていてくれたので、写真データを送ってもらった。
S君、ありがとう。
 
青少年健全育成活動は地元の公民館を事務局として、地域の住民がボランティアで参加し協力してくれている。
畑が多い地元の利を生かして、農業体験を子どもたちにしてもらう事業が多いので、手伝ってくれる農業ボランティアを随時募集している。その農業ボランティアの名称が『かしわばら農援隊』。
そのかしわばら農園隊では、随時隊員(協力ボランティア)を募集していて、今年もまた新たな隊員が加わってくれた…とS君から聞いた。
地元在住ではないのにも拘らず、このすいかの種蒔きにも参加してくれたとのことで、ありがとうございます。
 
かしわばら農援隊では、農業を体験したい方、子どもたちや地元の農家と触れ合いたい方など、隊員を募集していますので、興味のある方は埼玉県狭山市の柏原公民館へお問い合わせを。
隊員資格は…とくになし・笑。
野良仕事を楽しめて、子どもたちや他の農援隊のメンバーと仲良く作業してくれる人ならば、地元在住じゃなくてもいいし、とにかく老若男女誰でも大歓迎!
自分が参加出来る日時で参加してくれればいいので、お気軽に遊びに来てください。
お米づくり体験教室もあるし、報酬は現物支給だよ☆
 
 
このゴールデンウィーク前に、畑の周囲の柵を直すついでに、かしわばら農援隊の看板を設置することにした。看板のデザインは、勿論僕。
設置したら写真をアップします。
 
そんなこんなの打ち合わせを終えてから、我が家近くにある〝城山砦跡〟に寄ったら、なかなか咲き出さなかった枝垂れ桜が花をつけていた。
どのくらいの樹齢か判らないが、衰えてきているようで去年よりも花の数は少ない。
 
 
桜の時季に浮かぶ想い出が二つあって、そのどちらもが…実は思い出したくない。
思い出したくないが、でも思い浮かんでくる。
想い出っていうものは、なかなかに厄介なものだ…と思いながらの、今日の近所だけをそっと歩いた散歩、3.9km。
 
 
僕が青少年育成活動に参加したきっかけは地元の小学校のPTAで、その頃は会議や打ち合わせなどの、いわゆるデスクワーク的な作業が多く、それに加えてPTA会員(保護者)の愚痴や批判を聞いたりすることも仕事だった。
それはそれで楽しかったが、今のこの農作業を中心とした活動は、子どもたちとの触れ合いや立場を超えた人たちとの繋がりもあり、なにより土と作物に触れられる作業がなによりも楽しい。
 
 
生きていくことは、楽しいことばかりではない。
苦しいことも辛いこともある。
そのことを解っているのは、自分だ。
だからこそ、自分で自分の心や身体をコントロールする術を身に付けなければ…と思うし、頭では解っているんだけど、難しい。
 
春の強い風に煽られながらも、必死で枝にしがみついている桜の花に、うん頑張れ! と声をかけ、僕は今日も歩き続ける。