このお話はフィクションです
病名や症状も実在しません
🐰🐥のゆるふわファンタジーです
「…おじさん…だれ?」
アラームの音がうるさくて目が覚めると
小さな男の子が
ベッドの端に座ってこっちを見ていた。
「………えっ?」
寝ぼけた頭が
驚きで一気に目が覚めた。
「ジミナは?」
「はい?」
「………あれ?……ジミナはどこ?」
「ここだけど……おじさん…だれ?……ぼくのこと…しってるの?」
「ちょっと待って…僕…寝ぼけてる?」
「ぼくはパク・ジミンです。5さいです。おじさんはだれですか?…ここはどこですか?」
「えぇぇっ!?」
ビクッ
やばっ…思わず大きな声が
「あっ…えっと…ごめん……ジミナ?」
「うぅ~~~……うわぁ~~~~んっ~~~」
「うわっ…ごめんっ…」
「うわぁ~~~~んっ」
その子をよく見たら
ジミナそっくりだし
服は昨夜ジミナが着ていたTシャツで
ブカブカだった。
泣き止まない子供に僕もパニック!!
とりあえず子供を抱っこして
あやしながらリビングに向かう。
しばらく抱っこしたまま
泣き止むまで部屋をウロウロ。
ひっく…ひっく……
涙は止まっても
ずっとしゃくり上げている子供を
ソファーに座らせた。
どうしよう…どうしよう!?
何が起こった!?
誰に相談したらいいんだ!?
とりあえずナムヒョンに電話!!
「……それは…子供返りかも…」
「子供返り?」
「regression…強いストレスが引き金になって起こる退行現象だよ、本で読んだことがある。心理学は僕よりシュガヒョンの方がきっと詳しいと思う。これから出勤だろ?なら一緒に連れておいで」
「ありがとう…」
「ジミニ何歳なんだ?」
「5歳って言ってる」
「服は?」
「あるわけないよ……」
「じゃあマネージャーに途中で店に寄ってもらって買っていくように伝えておくよ」
「ありがとう……」
マネージャーが迎えにくるまでどうしよう…
子供は嫌いじゃないけど
近くに自分より小さい子がいなかったせいか
どう接したらいいかわからなくて
なんとなく苦手だった。
「え~っと…ジミナ……」
「……ミナだよ」
「ミナ?」
「アッパやオンマは…ぼくのことミナってよんでるよ」
「僕も…ミナって…呼んでいいの?」
「うん…」
「じゃあ…僕のことは…おじさんじゃなくて…グクって呼んで?」
「グゥ?……グゥ?」
まだ幼いから舌ったらずで
グクって言えないのかな
かわいい
「グゥでいいよ。ミナ…お腹すいてない?」
「……おなかすいた……」
「パンがあるけど…食べる?」
「……たべたいです」
「ふふっ…僕に丁寧に言わなくていいんだよ。じゃあテーブルの所に座って食べようか。牛乳は飲める?」
「ぎゅうにゅうは…ちょっとにがて」
「ふふっ…牛乳飲まないと大きくならないよ?」
「のんだら…グゥみたいにおおきくなる?」
「飲んだらね」
「…じゃあ…のむ…」
「いい子だね」
「……ぼく…いいこかな?…」
「…?……うん……」
ホッとしたような顔をして
テーブルについたミナが少し気になったけど
とりあえずはお腹をすかせたミナに
パンと牛乳を食べさせた。