ある日…社長にメンバーみんなが呼び出された。


「最近…パパラッチみたいなのが張り付いてるのは…みんな気づいていると思うけど」


たしかに…いつも僕たちが行く先にはカメラを持った記者がいることが多いけど。


「おまえたちの恋愛をすっぱ抜きたいらしい…メンバー内で恋愛関係があるんじゃないかって聞いてきたぞ」


「…………」


「ウチは恋愛禁止ではないけれど、報告と相談はしてほしいんだ。そうじゃないと…こういった時に対処を間違うから。それで聞いておきたいんだけど…どうなんだ?」


みんな…戸惑っているなか…シュガヒョンが最初に口を開いた。


「僕は…今は恋人はいませんが、好きになったら性別は関係ないです」


「あぁ…僕は偏見はないから安心してほしい。教えてくれて…ありがとう」


「……ありがとうございます」


ずっと下を向いていたジミナが僕の方を見て…前を向いて言った。


「僕は…ジョングクが好きです。僕の恋人はジョングクです」


「そうか……。ジミンは…恋愛対象が男性なのかな?」


「それは…よくわからないけど…ジョングクだけです、好きになったのは……」


「わかった。言ってくれて…ありがとう。そんなに力をいれなくて大丈夫だよジミン」


ジミナを見ると…両手をギュッと握っていて…とても緊張しているのがわかった……


ジミナ……


はっきりと僕たちの関係をみんなの前で社長に言ってくれて…すごく嬉しかった。


「僕も好きになったのはジミンさんだけです。ジミンさんは僕の大切な恋人です」


「ふふっ…そういえば…おまえたちは…昔からいつも一緒にくっついていたな…そうだったのか…」


ホビヒョンとVヒョンは…恋人はいないと言った。


「そんな暇どこにもありませんよ~」


「他の芸能人たちはどうやって恋人を作っているのか不思議です」


「ジンと…ナムは?」


「僕も…ナムジュンが…恋人です」


「ジンさんが僕の恋人です」


「そうだったか…それは…気づかなかった…」


「…?……」


「いや…今回…記者たちが言っていたのは…ジミンとジョングクのことでね。見ていて仲がよすぎるんだと。ファンの間でもおまえたちのカップリングは本当なんじゃないかって言われているらしい」





「ちょっとこれから対策を社内で話し合いだな。一部の限られた人には話すことになるけど…大丈夫か?」


「はい…」


「こういう同性の恋人やジェンダーについては…すごく難しいんだ。とくにおまえたちは…兵役前だ。兵役では…こういったことが差別される。でも僕は…みんな自由であるべきだと思っているから。ちゃんと今まで通りグループとして活動出来るなら…別れろとか言うつもりは全くないから…そこは安心して」


「……ありがとうございます…」



恋愛禁止や反対される会社もあるのに…

僕たちは幸せだ。

この会社に入ってよかったと思った。