「……グク……」
……ジミナ…痩せた……
……僕が…ジミナを見なくなってから…
……何日が過ぎた?
「あ……ゴメンね…グク……誕生日も…一緒にいてあげられなくて…」
「僕は…グクにイヤな思いばかりさせるよね……もう…僕とは…話したくないよね……」
「ゴメン……でも…仕事は一緒だし……やっぱり…兄弟に戻ったほうがいいと思うんだ……」
………はぁっ!?
「何だよ…それ………ジミナの気持ちって…その程度の…簡単に手放せるものだったってこと?」
「違っ…」
「僕だけが好きだったのかな……焼きもちやいてグラグラしてる僕を見るのは楽しかった?」
「…………」
「必死に好きだって言ってるのも…ジミナには…おもしろかったのかな?」
「…………」
「もしかして…僕が必死に我慢してるのも…わざと焦らして楽しんでた……っ痛ったっ……」
何だ?…ジミナの携帯が飛んできた?……
「~~~っ何だよっ…黙って聞いてればっ…」
「おまえが無視してきたんだろっ」
「ふざけんなっ」
指輪はずしてる……
うそっ…投げてきた…
「痛ってっ…」
「僕が…どんな気持ちで好きだって言ったと思ってるんだよっ~~~っ」
近くにあった椅子を持ち上げてる……
「ちょっとっ…それは止めてっ」
さすがに椅子で殴られたくないから、すぐ取り上げたら……
パァ~ン……顔に平手が飛んできた……
「痛ったぁ……」
僕もアイドルなのに……
仕方なく両手を押さえつけたら……
足で蹴り始めた……
「…痛いってっ…」
「もうっ僕のことイヤになったんだろっ」
「…………」
「僕の…顔も…見たくないんだろっ……だからっ…別れてやるってっ…言ってるのにっ」
「ひっくっ……おまえなんかっ好きになるんじゃなかったっ……」
「おまえに振り回されてっ…おまえのことしか考えられなくなるしっ…」
「なのにっ…っ……楽しんでたってっ……」
「もうヤダっ…離せっ!」
「助けてっ…ジンヒョンっ…帰りたいっ!」
「ヤダ~~~~」
子供みたいに…泣き出した……
こんなジミナは…はじめて見た……
「離せよっ!……ジンヒョンっジンヒョンっジンっ…」
「ジンヒョンは…いないよ……」
「ゴメン…ジミナ………ひどいこと言って…ゴメン…」
……キツく…抱きしめた……
「~~~っひっ…ヤダっ…離せっ~~~~」
「ゴメン…ずっと…無視して…ゴメン…」
「うぅ~~~~っ…っひっくっ」
「ゴメン…本当にゴメン…大好きだよ……」
ゴメンね…大好き…ゴメン……
しばらく繰り返して……
ようやく落ち着いてきたジミナは…
「もう疲れた…」と言ってぐったり座り込んだ…
「…そういえば…何を我慢してたの?……」
……そこ…聞くんだ……
「そりゃあ…ジミナにアレコレしたくなるから…」
「あぁ……何で我慢するの?」
……え?
「別に……我慢しなくていいのに……」
……え?
「アレコレって…ジミナわかってるの!?」
「おまえ…僕をバカにし過ぎじゃない?」
「僕をいくつだと思ってるんだよ…」
「僕だって…ちゃんと考えたよ…」
「でも…わかんないからって…おまえになんか…恥ずかしくて…聞けないし…あれからネットで…色々…調べたし…」
……えっ?…色々って…何を調べたの?
「だから…誘ってみたりもしたのに…おまえは全然…何にもしてこないし…あんまり…そういう興味ないのかと思ってた……」
…………。
……僕の悩みって…一体…何だったっけ?
「それで?…僕たちって別れなくていいの?」
「…ゴメンなさい…ジミナ……」
「…これからも恋人で…お願いします……」
「ふん……僕…もう…疲れた…動きたくない」
「はい…僕がおぶって行きます……」
ジミナをおぶって練習室を出て歩いていたら…
ジンヒョンが待っていてくれた……
「車で来てるんだけど…乗っていくか~?」
「……ありがとう…ジンヒョン…」
「ジミナ…寝てるぞ……」
「疲れたって…」
「ジミナ…あんまり夜寝てないってホビが言ってたからな…ホッとしたんだろ…」
「解決して良かったよ!ユンギとホビがもう爆発寸前だったから!」
「帰ったら説教が待ってるかもね!」
「ご飯も食べさせられるよ、きっと!…おまえも…少し痩せたしね……」
「さっ帰ろう!」
いつの間にか自分で作り出した…
僕の中の真っ黒な塊は……
キレイに…なくなっていた……