2015年9月1日、今日は僕の誕生日。
今年もメンバーが祝ってくれて18歳になった。
やっぱり誕生日はうれしい。
楽しい気分に眠る気になれず、そんな時に一緒にいてくれるのはやっぱりジミナだ。


「プレゼントは何がいいかな~。何がいい?」

「ポッポしてくれたら何でも買ってあげるよ~」


そんなジミナの言葉に『チュッ』と頬にキスして
「プレゼントはジミナがいい。僕ジミナが好き」
「……えっ?」
「ジミナが大好き」
「…僕も…グク好きだよ…」
「!じゃあ恋人になってくれる!?」
「………」
「ジミナ?」
「……好きだけど…大好きだけど…それはダメだ」
「どうして?好き同士なら恋人じゃないの?」
「…ゴメン…僕の態度が悪かったんだ…僕が勘違いさせてしまった…グクにこんなこと言わせたかったわけじゃないのに…ダメだよ…それは間違ってる…」
「僕の気持ちを信じられないから?」
「そうじゃない!恋人なんて…僕たちは仲間で家族なんだ…誰にも認められない…そんな関係になっちゃダメだ!」
「…ジミナは僕が好き?」
「…ゴメン…大好きだよ……ゴメン…」


その後もどんなに話しても、ずっとゴメンとダメだの繰り返しだった。
ちゃんと考えるんだ…勘違いだから…と。

次の日も次の日も…
どれだけ言葉を重ねても…


でも僕はどんなに考えたって答えは変わらなかったよ。
兄弟よりも恋人がいい。
ジミナは僕を変えてくれた運命だ。
もっともっと近づきたいし…
もう…ただの兄弟だけじゃ我慢出来ないから…

そのためには…


…釜山に帰るために…事務所に頼み込んで1日休みをもらうのに…1ヶ月かかってしまった。
両親に会うために…僕の気持ちを伝えて認めてもらうために。

誰にも認められないというジミナの気持ちを変えるには…
誰かに…まずは大切な家族に認めてもらわないといけないと考えたから。


父と母、兄も揃って迎えてくれた。

「ただいま…話があるんだ」
「どうしたんだ?急に帰ってくるし…何かあったのか?」
「僕ジミナが好きなんだ。最初は兄弟みたいな気持ちだと思ってた。僕が辛い時も嬉しい時もそばにいてくれた。ずっと一緒にいたいし、ジミナが笑ってると嬉しいし…ドキドキするんだ。この気持ちはおかしいのかと何度も何度も考えたよ。それでも答えはいつも同じになるんだ。ジミナが好きだって」
「…………」
「僕の気持ちを家族には分かってもらいたくて…助けてほしくて…」
「…助けてほしいというのは?」
「ジミナに気持ちを伝えたら断られた…好きじゃないからとかじゃなくて…僕が間違ってるって…誰も認めてくれないからって」
「………」

しばらくの沈黙の後…母が笑い出した。

「どれだけ深刻な話かと思ったらそんなこと?」
「そんなことって…」
「あんたやっと自分の気持ちに気づいたの?こっちはとっくに気づいてたわ。あんたのジミナを見る目といったら…もうっ母さん見てて恥ずかしかったわ~」
「本当だよな。それにジミナとはしょっちゅう連絡とってるし!」
「…え?」
「さすが私の息子よ、見る目があるわ。あの子は本当にいい子よ~。あんたがケガや病気の時もこんなことがあったけど心配しないでって連絡くれるのよ。いつもあんたが余裕なくて連絡出来ない時をちゃんとわかってくれて報道される前に連絡くれてるのよね」
「写真もよく送ってくれるぞ~」
「あんたにはもったいない位よ。それがちょっと断られたくらいで親に泣きついてくるなんて…もうっ情けないったら!そこはもっと押さないと!せっかく可愛く生んであげたんだから泣き落としなさい!母さんはそれで父さんをつかまえたんだから」
「フフ…私には息子が増えるのか?ん?」
「…ありがとう。僕の両親は最高だよ…」
「それで?もう戻るの?」
「いや…ジミナの両親にも会うつもり」
「なら早く行きなさい!しっかりやるのよ!」
「お前は私たちの自慢の息子だ。心を尽くせばきっとわかってくれる」


兄の車でジミナの家に向かうことになった。
別れ際「兄から一つアドバイス。独占欲はほどほどにしないと嫌われるぞ!今度来る時はジミンさんも連れてこいよ」と送り出してくれた。
僕の家族はあったかい…
たくさんの勇気と元気をもらった。


「お久しぶりです…」

ジミナの両親の前で頭を下げると二人ともびっくりしていた。
「どうしたんだい?ジョングク君一人で…ジミンに何かあったのか?」
「いいえ…今日は僕の気持ちを伝えたくて…一人で来ました。ジミンさんは僕が来てるのは知りません」
「…それは…まず話を聞こうか…」
「ありがとうございます」

「…僕はジミンさんが好きです。友達でも兄弟でもない…恋人になって欲しいと思っています。…この気持ちは本当なのか、勘違いじゃないのか…何度も考えました。でもいつも最後に残るのは好きだという気持ちだけです。いつもそばで支えてくれた優しい彼をこれからもっと幸せにして守っていきたい。彼が笑っていると僕も幸せです。二人でずっと歩いていきたいんです」
「ジミンさんに気持ちを伝えたら…何度も断られました。自分が悪かったんだ…こんなの間違ってる…誰も認めてくれないからと」
「僕は…全ての人に認めて欲しいとは思いません。でもジミナの大切な人には理解して欲しいと思いました」
「………」


「……あの子はね…すごく真面目な子なの…」
「あの子が小さいとき仕事があまりうまくいってなくてね…家にいる時間が少なくてあまり構ってあげられなかったんだ。自然とあまりわがままも言わず…聞き分けがよくて周囲の調和をすごく気にする子になってしまった」
「あなたの事はよく話してたわ。本当にすごい子なんだ、可愛くて仕方ない僕たちの太陽みたいな子だって。大切に守っていきたいんだって」
「…おそらく君にはずっと明るい所にいて輝いていて欲しいんだと思う…影なんか付けたくないんだろう。それなのに自分のせいで…と自分を責めているのかもしれない…」

「…それでも僕はジミナが好きです。二人で明るい所を歩いていきたい。僕の気持ちは何も間違ってないし、僕は絶対に繋いだ手は離さない」

「…あの子は意外と頑固なんだ…」
「そうそう…ダンスも諦めることを知らなくて練習ばっかりしてて大変だったわ」
「成績が下がるからと言って練習時間を減らさせようとしたら成績で一番になったんだよ」
「そんな子があなたには悩みを打ち明けて甘えたりもしているみたいで安心していたのよ」
「私たちが願うのはジミンの幸せだ。もしあの子が君との未来を希うのなら私たちは何も言うことはないよ」
「それじゃあ…」
「これを……君に教えておこう、私たちの番号だ。困ったことがあったら連絡しなさい」
「…ありがとうございます」
「ジミンにしっかり気持ちを伝えなさい。あの子はみんなに愛されたくて仕方ない子だけど…それは…本当は自分を一番に愛してくれる人が欲しくて…でもきっと叶わないと思ってるから…君ならジミンを誰よりも愛してくれるんだろう?」
「はいっ」
「私たちはどんなことがあってもジミンの味方だ。君がジミンと共にあるというのなら…君も…私たちの家族だよ」

「いつか…二人で顔を見せにきておくれ」


ジミナ…こんなに僕たちのまわりにはあたたかい人達がいる。それで十分じゃない?


僕は君を幸せにする。

君は…僕を幸せにしてくれなくちゃ。