新聞配達で生計を立てている同人作家・横井の家へ鳥取から突然やってきたのは、「ファンだ」という斉藤さん。彼女は見ているもの・感じている事・考えやこだわりが、他の人と違っていて……。「生きにくい」ふたりが居場所を探す、ふたり暮らし物語。
～出版元より～
アスペルガー症候群を扱ったお話。といっても別に病気をメインに扱ってるわけではなく、主人公とヒロインがどういう風に関わって、どういう風に生きてるのか、ということに主眼が置かれている。ヒロインに対しては好き嫌いが分かれる。こういった人間を心底嫌悪するタイプの人には向かない作品。逆にヒロインの言動が平気なら面白く読めると思う。自分は驚きはしたけど別に嫌悪感はなかった。ヒロインの突飛な言動にも、いちいち理由があったり拘りがあったりするのが興味深く読めた。描き方にリアリティがあるのも長所。ついていけないと思うこともあるけど、最終的にはふたりを応援したくなる不思議な魅力は感じる。